志願者数と受験者数の乖離が小さい神奈川

 他県とは異なり、実際の受験者数が2000人を超えるような学校もなく、どんぐりの背比べ的な状況にある神奈川では、進学校と大学付属校とで年によって志願者が揺れ動く傾向も見られる。22年は、どの学校が多くの受験生を集めることになるのだろうか。

 ここには掲示していないが、実受験者数では、9位に男子校の逗子開成(逗子市)がランクインしている。同様に、11位には鎌倉学園(鎌倉市)、12位には先述の聖光学院が入っており、志願者数との乖離(かいり)の小ささは、これらの学校を第一志望とする受験生が多いことを示している。

 21年の志願者数に戻ると、2位日本大学(横浜市港北区)、4位法政大学第二(川崎市中原区)、6位神奈川大学附属(横浜市緑区)、10位中央大学附属横浜(横浜市都筑区)と、有名大学の付属校も4校がランクインしている。いずれの学校も東京方面からのアクセスにも恵まれた立地でもあり、広く受験生を集めることができるのだが、志願者数の年ごとの増減が結構大きい。

 先ほどの志願者数での解説で抜け落ちたのが3位横浜女学院(横浜市中区)である。横浜女子御三家が集まる横浜山手エリアに立地しており、志願者数では別学校トップである。しかし、次ページの図2をご覧いただくと分かるように、実受験者数は半分ほどとなる。つまり、女子受験生の併願先として高い人気を誇っている学校なのだ。

 神奈川の特徴として、実際の受験者の割合が志願者数の80%前後という学校がランキング上位校にも目立つことが挙げられる。9割近い洗足学園(87%)や中央大学附属横浜(86.7%)などでは、第一志望の受験生が多い様子がうかがえる。

 83.7%の浅野は、神奈川の男子難関校受験生にとっては最後のとりでのような存在であり、同じく神奈川男子御三家である聖光学院や栄光学園との併願も多くみられる。実受験者数は例年1500人台を維持しており、実質的に神奈川男子校の一番人気校といえるだろう。