中位進学校人気には隔年現象も

 女子の中位進学校は数が多いので、その立地ごとにみてみよう。

 千代田区にある三輪田学園(第1回午前A)は、四模試の1割増を超える勢いで増やしており、22年も続伸しそうだ。港区にある山脇学園(A)と普連土学園(1日午前4科)は、21年の実倍率が3.87倍と1.75倍で、2倍以上開きがあるものの、四模試では2割強増と3割弱増といずれも人気がある。現状では、山脇は増加傾向、普連土は微減基調である。渋谷区にある東京女学館(一般学級第1回)は、21年に20年比3割減だったが、2.61倍と高めだった。現状は微減基調にある。

 練馬区にある富士見(第1回)の四模試は3割増の人気だったが、その勢いで現状も進んでおり、300人超えを目指す展開である。豊島区の十文字(第1回)は、実倍率1.3倍と入りやすく安定していたが、現状はさらに緩和しそうだ。四模試は微増だった江戸川女子(一般4科第1回)も減少傾向で、1倍台半ばまで緩和するかもしれない。調布市にある晃華学園(第1回)も、現状では全体的に弱含みである。

 横浜市内では、横浜駅に近い神奈川学園(A日程午前)は21年に前年比2割増やしたが、現状は3割減のペースで、大幅に緩和する可能性もある。山手にある横浜女学院(A)はすでに21年を超え、20年超えも確実でいずれの回も絶好調といえそうだ。

 共学校では、21年開校でいきなり人気校になった広尾学園小石川(第1回本科/ISG)は、四模試で女子が2倍強という圧倒的な人気ぶりを示した。志願者の3分の2を占める女子中心に現状も増えており、実倍率が4倍に近づく可能性も見えてきている。19年開校のドルトン東京学園(一般2月1日2科型・4科型)は、21年に大きく増やして実質倍率4.42倍と厳しい入試になったが、四模試でも男子3割半増と増加基調にあり、さらに難化する可能性が大きい。

 湾岸タワマン住民を背景に人気のかえつ有明(2月1日午前2科・4科)は、21年に3.39倍まで難化しているが、四模試の男子2割強増、女子5割弱増という勢いそのままに、全体で3割は伸ばしそうな情勢にあり、実倍率4倍超えのハードな入試になりそうだ。一方、表2でも出てきた安田学園は、21年に3.38倍まで上がった一般第1回がさすがに敬遠されたのか、半減の状況となっており、2倍程度まで大幅緩和の可能性もある。

 21年は前年比で半減した淑徳(スーパー特進第1回)は、それでも実倍率3倍を維持したが、現状は大幅減の様相で、かなり受けやすくなりそうだ。穎明館(第1回)も同じく21年に3割弱減らしたものの、すでに21年は上回り、どこまで20年に近づくかである。

 一方、郁文館(第1回総合)はすでに21年並みを確保しており、2倍台は維持しそうだ。宝仙学園共学部理数インター(第1回2科・4科特待選抜)も前年並みを確保、さらに伸びそうだ。多種多様な入試スタイルを毎年打ち出すことで多くの受験生を集める点で、他校に例を見ない。

 神奈川では、桐光学園(第1回)が、四模試では男子部2割増、女子部1割半減となっていたものの、現状は男女ともに大幅緩和傾向で、このまま推移すると2倍割れの可能性も出てきた。21年に4割強増やした自修館(A1)は、現状では男子の勢いが弱く、こちらも大きく緩和しそうな状況である。