ランクインとランクアウトの50校
2022年入試では、2回目の大学入学共通テストが実施され、数学の大幅難化で悲鳴が上がる事態となったことはまだ記憶に新しい。この点については、数学IA・数学IIBそれぞれの解説記事を参照していただきたい。また、23年以降は日本史と世界史の問題が大きく変わることが予想されている。この点については、こちらの対談をご覧いただきたい。
ここからベスト50校の入れ替わりについて見ていこう。21年にランクインしていたが、22年はランク外に去った学校が19校あると先ほど述べた。具体的に挙げてみよう。
20年・21年と9位だった兵庫の私立中高一貫共学校の白陵は、22年には65位となった。東大20人、京大16人と好実績ではあるものの、強豪ひしめく兵庫県内では9位に後退してしまった。
21年の順位順に見ていこう。ずらりと各県の公立トップ校が並んでいる。15位の熊本は113位と大幅ダウン、18位高松(香川)は76位、19位藤島(福井)は83位、20位鶴丸(鹿児島)は72位、22位秋田は113位、24位佐賀西は81位、28位岐阜は66位と、30位内はこのような状況にある。
31位刈谷(愛知)は99位、32位日比谷(東京)は153位、35位富山は58位、39位広島は99位、40位茨木(大阪)は137位、42位膳所(滋賀)は61位、43位米子東(鳥取)は90位、44位基町(広島)は69位、48位横浜翠嵐(神奈川)は77位、49位弘前(青森)は70位といった具合である。
都道府県内での順位を見て比較してみると、その入れ替わり具合が興味深い。後ほどの連載で触れる予定の全国公立高校「国公立100大学合格力ランキング」までお待ちいただくか、『中高一貫校・高校大学合格力ランキング2023年入試版』をお買い求めのうえ、ご覧いただきたい。
次に、21年はランク外だったが、22年にはランクインした学校を見ていこう。21年から急落して、22年にV字回復した学校が結構目に付く。21年はコロナ禍プラス共通テスト初年度で、浪人生の数が極端に少なかったことも影響しているようだ。
まず注目したいのが、70位から10位に大幅ランクアップした栄光学園(神奈川)である。なんといっても、卒業生の3人に1人は東大に進む超進学校なのだが、同じ男子一貫校である聖光学院に押され気味だった。卒業生数は聖光学院の4分の3でありながら、国立10大学(旧7帝大+一橋大、東工大、神戸大)の合格者数合計は103人で、117人の聖光学院と比して9割弱の水準である。まんべんなく実績を積み上げてのランク逆転となった。
今年は広島勢に勢いがある。12位広島学院は栄光や聖光と同じく男子カトリック校だが、21年の144位から一挙に浮上してきた。国立共学校の19位広島大学附属福山も107位から大きく伸び、30位広島大学附属も年々ランクアップしている。
31位神戸大学附属中等教育学校は、兵庫県内のダークホースとなりつつある。前身は、同大発達科学部附属の住吉と明石の中学校だが、付属校の再編に伴い、2009年に創立されている。灘中高と同じ神戸市東灘区にあり、2022年卒の8回生は108人中47人が国立10大学に合格しており、県立進学校と肩を並べるまでになった。