国際的なネットワークづくりも急務
望月 今年初めに、アメリカにあるイエズス会系の高校から「ペンパルになりませんか」というお誘いがあり、びっくりしました(笑)。
――ペンパルですか(笑)。懐かしい響きですが、お手紙でというわけではないのでしょね。
望月 さすがにEメールですが、本校の高2生と10人ずつで始めました。英語でのやりとりとなりますが、ちょうどいい感じですね。
――イエズス会のネットワークは強力ですね。
望月 ローマのイエズス会本部は、世界の系列校がグローバル・ネットワークでつながり、具体的な交流や対話を深めていくことが急務であると言っています。先ほどのペンパルの話しもその流れの中から出てきました。
栄光学園は、フィリピンのイエズス会学校との相互的短期留学を25年前から続けています。私たちから行くだけではなく、毎年10人の相手校の生徒を2週間受けいれています。
――国際化も進んできているわけですね。
望月 また、6年前からはアメリカのイエズス会大学のボストンカレッジが全米高校生向けに開催しているリーダーシップ研修会に、日本からは本校が招かれて参加しています。
栄光の西側には、同じカトリック校の清泉女学院があります。海外では共学校も多いので、イエズス会学校のグローバルプログラムには、私たちから声をかけて、清泉の生徒さんも一緒に参加しています。
他にも、アジア太平洋地区8カ国にあるイエズス会学校の高校生が、2年に1回集まって、ワークショップを行うISLFという企画があります。18年には上智大学セミナーハウス(神奈川県秦野市)で100人超の参加で行われました。20年にも別の国で行われる予定でしたが、残念ながらコロナ禍で延期になっています。
――海外直接進学も視野に入っていますか。
望月 少しずつ増えてきていますね。それに備えて米西海岸でカレッジカウンセリング会社を経営している卒業生の方と契約を結び、年3回、栄光生向けの説明会を実施しています。海外大学への進学というと、最初は東海岸にあるアイビーリーグを思い浮かべるようですが、アメリカにはいろいろな大学がありますから、もっと柔軟に考えてもいいと話してもらったり、生徒からの個別の相談にも乗ってもらっています。