井手ゆきえ
第251回
アミロイドPET検査認知症「告知」の是非は?
PET(陽電子放出断層撮影)という検査法がある。放射性薬剤を体内に入れ、放出される放射線を特殊なカメラで画像化する方法だ。がん検診のイメージが強いが、薬剤の性質次第で様々な疾患をあぶり出せる。近年はアルツハイマー型認知症(AD)の早期発見にも応用されている。

第250回
乳がん再発予防のヒント 大豆は丸ごと食べましょう
最新のがん統計によると、日本女性の12人にひとりが乳がんを発症する時代になった。50~60代以降に発がん率が上昇し始める男性とは違い、乳がんは「働き盛り」の30~40代に発症の第一ピークがある。

第249回
まだまだ大丈夫、ではなくて貴方のロコモ度を測ります
ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)という言葉がある。2007年に日本整形外科学会が提唱した概念で、日本語でいうと「運動器症候群」。膝関節や股関節の障害、あるいは骨折などにより、要介護になるリスクが高い状態を指す。

第248回
夏場の2型糖尿病予防習慣 炭酸飲料を1本控えること
暑さと疲労で渇いた身体には、炭酸飲料の刺激と甘みがありがたい。しかし、何事もホドホドが肝心だ。実際、各国の調査報告からは、甘い炭酸飲料を好む人は、現体重にかかわらず2型糖尿病の発症率が高いと判明している。

第247回
発症前の禁煙より野菜と果物?大腸がんの生存率を上げるには
日本人の死因第1位は悪性新生物=がんである。そのなかでも、大腸がん死は男性の第3位、女性ではトップ。男性の33人に1人、女性の44人に1人が大腸がんで死亡する計算になる。

第246回
卵の復権のお知らせ 週4個で糖尿病リスク低下
コレステロール含有食品の筆頭として制限されていた卵。ところが近年は、卵復権の報告がいくつも出されている。

第245回
「活動的な小太り」がいい?認知症リスクが低下
超肥満~やや肥満で中年期を過ごすと、認知症リスクが低下する可能性がある、という研究結果が英国から報告された。認知症の発症予防は世界的なテーマ。各国で原因遺伝子の探索から「認知症になりにくい生活習慣」の模索まで、あらゆる方法論が検討されている。

第244回
愛犬と見つめ合ったら……愛情ホルモンで絆が深まる
飼い主と愛犬が見つめ合うと、愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌が双方で高まり、絆が強まるようだ。麻布大学動物応用科学科伴侶動物学の菊水健史教授らのチームの研究から。従来、犬の社会性の基本は、共通の祖先種にあたるオオカミに似た「順位付け」にあるという説が有力だった。しつけ本でも「飼い主をボスと認識させ、服従させる」ことを勧める記載は多い。

第243回
低身長の循環器疾患リスク 身長関連遺伝子変異が関係
欧米の医療者の間では、低身長は心筋梗塞など冠動脈疾患(CAD)発症リスクであることが知られている。ちなみに、医学的な低身長は同性・同年齢の平均身長からマイナス2SD(標準偏差)と定義される。

第242回
食後血糖を落ち着かせるには?朝食がっつり、夕食あっさり
予備軍を含む糖尿病患者にとって、食後の高血糖は血管ボロボロ一直線の危険因子だ。最近は食後高血糖を抑える糖質制限食が注目されているが、先頃イスラエル・テルアビブ大学から新しい方法が提案された。

第241回
がん発症予防に奇策なし ペスクタリアンが良いらしい
先月、国立がん研究センターから39都道府県別のがん罹患率状況が公表された。地域差が生じる理由として、北国の塩分が多い食生活やピロリ菌感染が胃がん発症に影響しているとする一方、大腸がんには肥満の影響が考えられるとしている。

第240回
笑い合って胸襟を開く 受け手の印象に影響
不安と期待でいっぱいの新人が登場する季節。管理職にとっても悩ましい時期だ。労働安全衛生法の改正に伴い、管理職には労働時間の配分や役割分担・責任の明確化など職場環境の改善のほか、日頃から部下を観察し、必要なら相談に乗るなどの役割が期待されるようになった。

【第239回】
血圧も血糖も正常なのに…リスク因子non HDL-Cとは?
そろそろ春の健診だ。このところ診断基準がちょこちょこ変わり、現場も少々混乱気味。ここらで整理しておこう。中高年・メタボ諸氏がまず、注意すべきは血圧値。心筋梗塞はもちろん、日本人に多い脳卒中の発症リスクなので、本人ばかりか家族の将来にも影響を及ぼす。

第238回
配偶者の喫煙が関連 日本人女性の乳がん発症
女性の12人に1人が罹患する乳がん。増加傾向には、確実に脂肪過多の食生活や飲酒が影響しているといわれている。しかし、発がんリスクの筆頭にあげられる「喫煙」との関係については、長らく曖昧なままだった。

第237回
6.5時間vs7~9時間 日米の推奨睡眠時間
春眠、暁を覚えず。というが、残業続きで睡眠時間の確保すら難しい年度末に言われても「どこの話?」と聞き返したくなる。先月、睡眠と健康に関する提言を行っている米国立睡眠財団(NSF)から、新生児~高齢者の各年齢層別、推奨睡眠時間が報告された。

第237回
運動不足は肥満より怖い!?1日20分の早歩きを追加
近頃は喫煙と同じくらい危険視されている肥満。ところが、もっと怖いモノがあるらしい。それは「運動不足」。英ケンブリッジ大学の報告から。

第236回
上を向いて、走りましょう ED診断直後はうつ病に注意
性機能に目が向きがちだが、実は男性の心身の健康のバロメーターでもある「勃起」。実際、ED(勃起障害)の相談者を前にした場合、診断する医師は性機能検査に加えて、血圧、血糖値の検査や心血管疾患既往の確認、そして心理的テストを実施するよう推奨されている。

第235回
2型糖尿病発症にも民族差 アジア系は「BMI23」でリスク
今年はじめに発表された米糖尿病学会(ADA)の診療ガイドラインで、アジア系米国人は他民族よりも低BMI(体格指数)で2型糖尿病を発症することが明記された。米国では、BMI25以上の肥満気味(日本では肥満)になると、血糖値の検査を受けるよう促される。

第234回
多飲はお財布も身体も直撃 医療費と入院の可能性が上昇
飲酒量が多いと、医療費が高くつく──昨年12月、アルコール依存症の専門誌に金沢医科大学公衆衛生学、中村幸志准教授らの研究報告が掲載された。

第233回
日本のがん医療は高水準 臓器がんの5年生存率で
昨年末、世界67カ国のがん登録データ(成人)2万5000例超を使って10種類のがんの5年生存率を比較した国際共同研究「CONCORD-2」が報告された。
