井手ゆきえ
「座りっぱなし」は乳がんリスクを高める、テレワークは1日6時間までに
長時間の「座りっぱなし」は様々な病気のリスクだ。ただし、週末にでもまとめて身体を動かせば、リスクを相殺できると考えられていた。ところが──。

「集団免疫」が期待できないコロナ、5年目以降の対策はどうすべきか
国内で初めて新型コロナウイルス感染症が確認されてから、およそ4年が過ぎた。COVID-19の扱いが感染症法上の5類に移行し、年末年始の街のにぎわいを見る限り、コロナ禍は過ぎ去ったように思える。本当にそうか。

EDは「2型糖尿病」の警告?1年以内に発症する可能性も
勃起不全(ED)を見たら動脈硬化を疑え、は医療者の常識だが、もう一つ、2型糖尿病(T2D)も疑ったほうがいいようだ。EDは糖尿病の合併症の一つで、30代男性患者の3人に1人、50歳以上になると2人に1人が「糖尿病性ED」というデータがあるほどだ。

睡眠中に「ピンクノイズ」を聞くと記憶の定着と忘却を促進、ついでに心機能も改善
リラックスや集中力アップ効果で注目されるノイズ。なかでも木々のざわめきや雨音に似た「ピンクノイズ」──いわゆる「1/fゆらぎ」を持った音を睡眠中に流すと、深い眠りを示すノンレム睡眠が増え、記憶の再編成が促進される。これを治療に応用できないか模索されている最中だ。

突然死警報を冬場に発令!?大学と警察が「入浴時警戒情報」システムの試み
冬季は浴室での突然死(入浴死)が発生しやすい季節だ。入浴死とは、入浴中やその前後に生じる予期せぬ死亡を指す。日本の入浴死件数は世界でも突出しており、社会問題化している。それなら、夏の「熱中症警戒アラート」と同様に、冬の「入浴死警戒警報」を出せないだろうか。

不妊治療中~出産後は「日々の血圧管理」を…妊娠高血圧症候群とは
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降、分娩12週の間に、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、あるいは下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上に上昇する状態を指す。近年の研究から、発症リスク要因がわかってきた。

ポップコーンで救急搬送!?「4歳未満」はご注意を!
クリスマスなど、イベントが続く季節だ。楽しい思い出に水を差さないよう、子供の窒息・誤嚥に気をつけたい。日本小児科学会は9月1日、ポップコーンの「未破裂」コーンの誤嚥による窒息事例の傷害速報を発表。

ノンアル飲料で飲酒量低下、「置き換え効果」の可能性も
心身の健康のために飲酒しないか、たしなむ程度で楽しむライフスタイルを「ソバーキュリアス」という。長年の酒好きが転身するには敷居が高いが、まずは、ノンアルコール(ノンアル)飲料から試してみよう。筑波大学とアサヒビールの研究グループは、20歳以上の飲酒習慣がある成人を対象に、ノンアル飲料の「置き換え効果」を検証している。

高齢の親の「運転免許返納」問題、記憶力の衰え+歩行速度の低下に目を向けよう
自家用車が生活に欠かせない地域では、老親に運転免許の自主返納を促しにくい。自動車の運転は、認知機能と身体機能が複雑に絡む作業だ。運転免許更新時に認知機能検査も行われているが、適切な返納に結びつくか疑問視する声もある。

突然の心停止の「前ぶれ」になる症状とは?【男女別】
日本AED財団によれば、突然の心停止が原因で亡くなる人は年間およそ8.2万人、1日約200人、7分に1人が亡くなっているという。心臓突然死の原因の多くは、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患だ。高齢者に多いことは確かだが、動脈硬化が進むメタボ中高年も決して人ごとではない。

HPVの口腔内陽性リスクが高いのは「男性・51~60歳・ヘビースモーカー」そして…
米モフィットがん研究センターの報告では、中咽頭がんや子宮頸がんを引き起こすHPV(ヒトパピローマウイルス)の口腔内陽性率は、6.6%だ。同センターの調査で、男性の口腔内HPV陽性リスクの条件が明らかになった。

10月はピンクリボン月間、「男性の乳がん」は女性より死亡率が高い【米国の研究より】
毎年10月は乳がんの早期発見・治療を呼びかける「ピンクリボン月間」だ。先頃、男性の乳がんが話題になった。男性の乳がんの背景には、高女性ホルモン(エストロゲン)状態になりやすい状況──たとえば停留睾丸や睾丸炎、睾丸の外傷、あるいはテストステロンの過剰利用、肥満などがあるとされている。

週末ゴルファーの4人に1人が皮膚がんに!?豪研究グループの調査から
軟弱だ、なんだと高校球児の「日焼け対策」をやゆする声が漏れ聞こえた夏の甲子園。医療側からすると、老若男女の区別なく日焼け対策は必須だ。たとえばカンカン照りの郊外でプレーをする、週末ゴルファーの皮膚がんリスクを考えてみよう。

「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ
毎年9月3日は、睡眠健康推進機構と日本睡眠学会が制定した「秋の睡眠の日」だ。眠りは、疲労が蓄積されることで次第に増大する「睡眠欲求」と、体内の「覚醒システム」との綱引きのなかで生じる。環境を整えて酷暑の間に積もりに積もった「睡眠負債」を返済していこう。

「最近ニオイがわからなくなった」と思ったら、認知機能の衰えの始まりかも?
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の症状として、おなじみになった嗅覚障害。これまでの研究から、嗅覚の異常はアルツハイマー型認知症(AD)など、脳神経の変性疾患に先行することが明らかになっている。

子供たちを性暴力の被害者・加害者・傍観者にさせない…小中学校で「生命(いのち)の安全教育」開始
この4月から小中学校で「生命(いのち)の安全教育」という学習が始まった。子供たちを性暴力の被害者、加害者、そして傍観者にさせないために「生命の大切さ」や「自分や相手を尊重し、大事にすること」「性暴力にあったときの対応の仕方」などが指導されている。ようやく包括的な性教育を行う機運が高まってきたわけだが、及び腰の自治体も少なくない。

子どもとコロナの後遺症、発疹や結膜炎・舌の腫れにも注意
新型コロナウイルス感染症の「後遺症」の典型例は疲労感や味覚・嗅覚障害、集中力の低下など多種多様だ。成人の後遺症に関しては、症状や対応方法が徐々にわかってきたが、当初、感染者が少なかった小児については後手に回っていた。しかしオミクロン変異の流行以降、小児でも感染者が増え、同時に後遺症に悩むケースも増えている。

うんちの硬さと排便回数が「認知症リスク」と関係?国立がん研究センターの報告より
国立がん研究センターの予防関連プロジェクト「JPHCスタディ」の報告によると、中年期以降の「便秘」は、認知症リスクにつながるようだ。

定年退職の時期を遅らせると健康に悪い!?京都大学の研究から
少子高齢化で退職年齢と年金受給開始年齢が先延ばしされる昨今。ところが、退職時期を無理に引き延ばすと心臓に悪いらしい。京都大学の研究グループは、退職というライフイベントと心疾患リスクとの関連を調べている。

肝機能の推奨値を学会が初設定、「ALT(GPT)30超」は受診を
今年6月15日、日本肝臓学会は健康診断の血液検査項目のうち、肝機能を反映するALT(GPT)値「30超」を医療機関への受診指標とすると発表した。学会が明確に推奨値を定めたのは初めて。
