井手ゆきえ
ノンアル飲料で飲酒量低下、「置き換え効果」の可能性も
心身の健康のために飲酒しないか、たしなむ程度で楽しむライフスタイルを「ソバーキュリアス」という。長年の酒好きが転身するには敷居が高いが、まずは、ノンアルコール(ノンアル)飲料から試してみよう。筑波大学とアサヒビールの研究グループは、20歳以上の飲酒習慣がある成人を対象に、ノンアル飲料の「置き換え効果」を検証している。

高齢の親の「運転免許返納」問題、記憶力の衰え+歩行速度の低下に目を向けよう
自家用車が生活に欠かせない地域では、老親に運転免許の自主返納を促しにくい。自動車の運転は、認知機能と身体機能が複雑に絡む作業だ。運転免許更新時に認知機能検査も行われているが、適切な返納に結びつくか疑問視する声もある。

突然の心停止の「前ぶれ」になる症状とは?【男女別】
日本AED財団によれば、突然の心停止が原因で亡くなる人は年間およそ8.2万人、1日約200人、7分に1人が亡くなっているという。心臓突然死の原因の多くは、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患だ。高齢者に多いことは確かだが、動脈硬化が進むメタボ中高年も決して人ごとではない。

HPVの口腔内陽性リスクが高いのは「男性・51~60歳・ヘビースモーカー」そして…
米モフィットがん研究センターの報告では、中咽頭がんや子宮頸がんを引き起こすHPV(ヒトパピローマウイルス)の口腔内陽性率は、6.6%だ。同センターの調査で、男性の口腔内HPV陽性リスクの条件が明らかになった。

10月はピンクリボン月間、「男性の乳がん」は女性より死亡率が高い【米国の研究より】
毎年10月は乳がんの早期発見・治療を呼びかける「ピンクリボン月間」だ。先頃、男性の乳がんが話題になった。男性の乳がんの背景には、高女性ホルモン(エストロゲン)状態になりやすい状況──たとえば停留睾丸や睾丸炎、睾丸の外傷、あるいはテストステロンの過剰利用、肥満などがあるとされている。

週末ゴルファーの4人に1人が皮膚がんに!?豪研究グループの調査から
軟弱だ、なんだと高校球児の「日焼け対策」をやゆする声が漏れ聞こえた夏の甲子園。医療側からすると、老若男女の区別なく日焼け対策は必須だ。たとえばカンカン照りの郊外でプレーをする、週末ゴルファーの皮膚がんリスクを考えてみよう。

「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ
毎年9月3日は、睡眠健康推進機構と日本睡眠学会が制定した「秋の睡眠の日」だ。眠りは、疲労が蓄積されることで次第に増大する「睡眠欲求」と、体内の「覚醒システム」との綱引きのなかで生じる。環境を整えて酷暑の間に積もりに積もった「睡眠負債」を返済していこう。

「最近ニオイがわからなくなった」と思ったら、認知機能の衰えの始まりかも?
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の症状として、おなじみになった嗅覚障害。これまでの研究から、嗅覚の異常はアルツハイマー型認知症(AD)など、脳神経の変性疾患に先行することが明らかになっている。

子供たちを性暴力の被害者・加害者・傍観者にさせない…小中学校で「生命(いのち)の安全教育」開始
この4月から小中学校で「生命(いのち)の安全教育」という学習が始まった。子供たちを性暴力の被害者、加害者、そして傍観者にさせないために「生命の大切さ」や「自分や相手を尊重し、大事にすること」「性暴力にあったときの対応の仕方」などが指導されている。ようやく包括的な性教育を行う機運が高まってきたわけだが、及び腰の自治体も少なくない。

子どもとコロナの後遺症、発疹や結膜炎・舌の腫れにも注意
新型コロナウイルス感染症の「後遺症」の典型例は疲労感や味覚・嗅覚障害、集中力の低下など多種多様だ。成人の後遺症に関しては、症状や対応方法が徐々にわかってきたが、当初、感染者が少なかった小児については後手に回っていた。しかしオミクロン変異の流行以降、小児でも感染者が増え、同時に後遺症に悩むケースも増えている。

うんちの硬さと排便回数が「認知症リスク」と関係?国立がん研究センターの報告より
国立がん研究センターの予防関連プロジェクト「JPHCスタディ」の報告によると、中年期以降の「便秘」は、認知症リスクにつながるようだ。

定年退職の時期を遅らせると健康に悪い!?京都大学の研究から
少子高齢化で退職年齢と年金受給開始年齢が先延ばしされる昨今。ところが、退職時期を無理に引き延ばすと心臓に悪いらしい。京都大学の研究グループは、退職というライフイベントと心疾患リスクとの関連を調べている。

肝機能の推奨値を学会が初設定、「ALT(GPT)30超」は受診を
今年6月15日、日本肝臓学会は健康診断の血液検査項目のうち、肝機能を反映するALT(GPT)値「30超」を医療機関への受診指標とすると発表した。学会が明確に推奨値を定めたのは初めて。

夏場に気になる脇や手の「多汗症」、皮膚科で保険診療できます
季節や状況を問わず、噴き出す汗に悩まされる「多汗症」。脇の下の汗染みや、ぐっしょりぬれた手のひらを人目にさらすストレスで心の負担も大きい。脇汗(腋窩多汗症)の治療に関しては20年以降、抗コリン薬が相次いで発売され、日本ではゲル状の塗り薬と、シートタイプの2剤が保険診療で利用できる。

ビタミンD3が「がん死」を抑制する?サプリの臨床試験が進行中
日差しが眩しい季節だ。紫外線の害が強調されるが、健康に欠かせないビタミンDの生成には日光浴が必須である。東京慈恵会医科大学分子疫学研究部の浦島充佳教授らは、ビタミンDの効能・効果に関する研究を続けている。

夏は「最低気温」に注意を!熱帯夜で死亡リスクが増加
近年、地球規模の温暖化の影響で、冬期と夏期の死亡率の差が縮まっている。冬期の死亡リスクは寒暖差による血圧の乱高下の影響が大きいが、夏期の死亡リスクは高過ぎる気温が原因の熱中症だ。天気予報の最高気温を見て対策を立てる人も多いだろうが、本当に気をつけたいのは「最低気温」らしい。

50歳未満の若年性大腸がん増加中、「4つの初期症状」とは?
近年、世界的に50歳未満で発症する「若年性大腸がん」が増えている。肥満と高脂肪食の影響や、抗菌薬の過剰投与による腸内細菌叢の変化などが原因とされているが、確かな結論はでていない。米ワシントン大学セントルイス校の研究グループは、早期発見につながる若年性大腸がんに特徴的な初期症状を調べている。

その一杯で死亡率が上昇、2型糖尿病患者は加糖飲料に要注意
そろそろ梅雨の季節だ。蒸し暑さと喉の渇きを癒やすには甘い清涼飲料水が定番だが、特に2型糖尿病の方は、その1杯を無糖のお茶や水、もしくはコーヒーに置き換えよう。研究者は「糖尿病の患者さんは、水分補給の方法にもこだわるべき」としている。

歯と口の健康週間、オーラルフレイルは重大な健康リスクになる
毎年、6月4~10日は「歯と口の健康週間」だ。近年は嚙む、のみ込む、話すという口腔機能の低下を「オーラルフレイル」と呼び、老化の初期サインとして、適切なケアを勧める動きが盛んだ。

肩こりには「やさしい刺激」を、痛みや可動域も改善
頑固な肩こりにはやさしい刺激が効くらしい。東京都健康長寿医療センター研究所の研究チームはこれまで動物実験などで、皮膚へのやさしい刺激が脊髄のオピオイド受容体を活性化させ、痛み刺激の信号を妨害することを報告してきた。研究チームは慢性的な肩こりの痛みにも皮膚刺激が有効だと仮定し、これを検証した。
