森信茂樹

森信茂樹

東京財団政策研究所研究主幹

(もりのぶ しげき)法学博士。東京財団上席研究員、政府税制調査会専門家委員会特別委員。1973年京都大学法学部卒業後、大蔵省入省、主税局総務課長、東京税関長、2004年プリンストン大学で教鞭をとり、財務省財務総合研究所長を最後に退官。その間大阪大学教授、東京大学客員教授。主な著書に、『日本の税制 何が問題か』(岩波書店)『どうなる?どうする!共通番号』(共著、日本経済新聞出版社)『給付つき税額控除』(共著、中央経済社)『抜本的税制改革と消費税』(大蔵財務協会)『日本が生まれ変わる税制改革』(中公新書)など。
 

第136回
マイナンバー活用で確定申告は画期的に簡単・便利になる
森信茂樹
マイナンバーを活用し予防接種の申し込みや保育園利用の手続きができる「マイナポータル」の運用が今秋から始まる。「e-Tax」と連動させれば、税金の自主申告も便利なり、副業が当たり前の社会の重要なインフラになる。
マイナンバー活用で確定申告は画期的に簡単・便利になる
第135回
シェアリングエコノミーの税逃れ、保障漏れに誰が責任を負うべきか
森信茂樹
ウーバーやエアービーアンドビーなど、ネットを活用したシェアリングエコノミーのさまざまなビジネスモデルが生まれているが、盲点は、税金や社会保障の負担の責任がはっきりしないことだ。所得の情報や税負担などの実態がみえない「ブラックボックス」が、新ビジネスの拡大とともに広がっている。
シェアリングエコノミーの税逃れ、保障漏れに誰が責任を負うべきか
第134回
「働き方改革」はセーフティネットの議論を置き去りにしている
森信茂樹
「働き方改革」がめざす多様で柔軟な働き方を実現するには、雇用形態によって違う税や社会保障の不公平をなくし、賃金や労働時間の規制とも整合性のあるものにしないといけない。改革の実行計画にはこの「セーフティーネット」の議論がすっぽり抜け落ちている。
「働き方改革」はセーフティネットの議論を置き去りにしている
第133回
小泉進次郎氏ら提言「こども保険」で考える“負担”の問題
森信茂樹
子育ても、年金や医療と同じように社会保険でという「こども保険」の創設を、小泉進次郎氏ら自民党若手議員が提言した。増税が政治的に難しい中で、新たな問題提起だが、子どものいない世帯も保険料を払うのか、現役世代の負担が増える、などの声も上がる。子育ての負担をどの世代でどう担うのか、を考える議論の起爆剤になりそうだ。
小泉進次郎氏ら提言「こども保険」で考える“負担”の問題
第132回
トランプの国境調整税が日本の税制改革につながる3つの理由
森信茂樹
トランプ政権の税制改革の柱の一つである国境調整税(正式名称は「仕向地課税キャシュフロー税」)は、法人税の課税ベースを、所得からキャッシュフローに変えたうえで、輸入に課税し輸出を免税する国境調整を行うというものであるが、わが国をはじめとする、今後の世界の税制改革に与える影響は大きく、わが国も、なぜ米国がこのような税制を導入したいのか、きちんと学ぶことが必要だ。
トランプの国境調整税が日本の税制改革につながる3つの理由
第131回
ふるさと納税急増の大問題、返礼品競争だけではない
森信茂樹
ふるさと納税制度の不合理は返礼品の過熱競争だけにあるのではない。2000円の「自己負担」だけで済むのは、自腹を切るという寄付制度の本来の趣旨にそぐわない。税の控除はNPOなどへの寄付税制と同じにとどめるべきだ。
ふるさと納税急増の大問題、返礼品競争だけではない
第130回
トランポノミクスとレーガノミクス、財政赤字拡大への類似性
森信茂樹
筆者は、83年から85年までの間、レーガン大統領の地元ロスアンジェルス総領事館で経済担当領事をしていた。自身の記憶をたどりながら、レーガノミクス(第1期)が、財政赤字の拡大、金利高騰、双子の赤字を招いたという点に焦点を当てて、レーガノミクスとトランポノミクスの経済政策の比較をしてみたい。
トランポノミクスとレーガノミクス、財政赤字拡大への類似性
第129回
安倍政権の放漫財政を正当化する「シムズ論」の胡散臭さ
森信茂樹
第3次補正予算で、1兆7000億を超える赤字国債の発行が行われた。また、2020年度のプライマリーバランスの黒字化達成に必要な財政収支が▲8.3兆円へと拡大したことも明らかになった。わが国の財政運営を取り巻く環境に、大きな変化が生じているのだが、この背景には財政追加を正当化しようという考え方がある。
安倍政権の放漫財政を正当化する「シムズ論」の胡散臭さ
第128回
トランプがトヨタに課す「仕向地法人税」は関税とどう違うか
森信茂樹
新年早々トランプ次期大統領は、トヨタに新設する工場について「pay big border tax.」とツイートした。この「border tax」発言を、新聞各紙は「関税」と訳していたが、それは「誤訳」だ。これは「仕向地課税(最終消費地課税)法人税」である。
トランプがトヨタに課す「仕向地法人税」は関税とどう違うか
第127回
Uber運転手の税や社会保険は?追いつかない現行制度
森信茂樹
ウーバーやエアビーアンドビーなどのシェアリングエコノミーは、新たなビジネスモデルで、われわれの経済行動に大きな変化や影響をもたらす。新たなビジネスの開拓であると同時に既存の業態への挑戦でもあり、規制の在り方などが議論されているが、一方でそこで働く人々の税や社会保険料の問題も浮上している。
Uber運転手の税や社会保険は?追いつかない現行制度
第126回
トランプ氏の「米国への利益還流」法人税改革は実現するか
森信茂樹
トランプ米次期大統領は、アップルやグーグルといったIT多国籍企業などが海外にため込んでいる利益を米国に還流させることを狙った法人税改革を掲げている。そのための2つの改正案、つまり低税率国に留保されている利益への「還流税制」と、法人税の仕向地課税への変更について、実行可能性を探ってみたい。
トランプ氏の「米国への利益還流」法人税改革は実現するか
第125回
トランプの税制改革は必ずしも公約通りにはいかない
森信茂樹
トランプ大統領の誕生が世界を揺るがせている。大幅な減税とインフラ公共投資が米国経済を活性化するのではないかという期待と、膨れ上がる財政赤字がレーガン時代のような経済混乱をもたらすのではないかという懸念が交錯している。今後どうなるのか。
トランプの税制改革は必ずしも公約通りにはいかない
第124回
「アップルの租税回避に追徴1.5兆円」を巡る米国の本音
森信茂樹
欧州委員会は、米アップルの租税回避措置に対し、130億ユーロ(約1兆5000億円)を、過去にさかのぼって追徴せよと命じた。米国政府は、「さかのぼって課税するというのは、EUへの投資を損なう決定だ」と欧州委員会に抗議したが、もう一つ力が入っていないようにも見える。米国の本音を探ってみたい。
「アップルの租税回避に追徴1.5兆円」を巡る米国の本音
第123回
人工知能への課税で第4次産業革命を加速せよ!
森信茂樹
AIなど第4次産業革命への対応が順調に進んだ場合には、大量の失業者やこれまで経験したことのない所得格差などが生じる可能性がある。そこへの財源の対応を検討しておくことが必要だ。その場合、「AIから生み出す付加価値に課税していく」ことしか方法はない。
人工知能への課税で第4次産業革命を加速せよ!
第122回
配偶者控除の見直しは損得論を乗り越えて進めよ
森信茂樹
配偶者控除の見直しが来年度税制改正の大きな課題となっている。これまでたびたび見直しの必要性が指摘されながら、今日まで放置されたこの制度を抜本的に見直すことの意義は大きい。
配偶者控除の見直しは損得論を乗り越えて進めよ
第121回
勤労・子育て世帯向け保障の充実で経済も財政も立て直せる
森信茂樹
安倍政権の経済政策の内容は、経済再生・デフレ脱却に偏りすぎており、税制・社会保障制度の根本的な議論や財政再建問題にはほとんど手が付けられない、アンバランスなものになっている。アベノミクスに欠けていると思われる、税制や社会保障の議論を、一体改革のコンセプトを原点に立ち返って見直すことで、日本経済を活性化させることを提案したい。
勤労・子育て世帯向け保障の充実で経済も財政も立て直せる
第120回
人工知能に仕事を奪われる人々を、ベーシックインカムで救おうという議論の現実味
森信茂樹
人工知能(AI)の発達で仕事を奪われる中間層が続出するという予測を、政府やシンクタンクが公に発表するようになってきた。欧州では、ベーシックインカム(BI)によってそうした人々の生活を保証しようという議論もある。果たしてその議論は現実的か。
人工知能に仕事を奪われる人々を、ベーシックインカムで救おうという議論の現実味
第119回
ブレグジットが英国税制と日本企業にもたらす深刻な影響
森信茂樹
英国のブレグジット(EU離脱)は、税制に大きな影響を及ぼすだろう。英国とEUとの取引が「域外」取引になるので、ヒト・モノ・カネ・サービスの自由な移動を裏付けていた様々な税制上の特権を、一気に失うことになる。日本企業への影響も大きいだろう。
ブレグジットが英国税制と日本企業にもたらす深刻な影響
第118回
日本が分断国家になる前に、アベノミクスの失敗を参院選で検証せよ
森信茂樹
英国の国民投票ではEU離脱という結果が出た。この対立構造の背景には、貧困と格差がある。日本でも、所得分布、資産分布の両面で中間層が二分化する、欧米同様の状況が始まっている。これまでのアベノミクスは失敗したのだ。では、今後どうするべきか。
日本が分断国家になる前に、アベノミクスの失敗を参院選で検証せよ
第117回
18歳選挙権スタートを機に、世代間の負担構造を見直せ
森信茂樹
この参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、新たに240万人程度の有権者が増えることになる。この機会に、わが国の世代間の負担構造がどのようになっているのかを考えてみたい。その構造は、若者にとって不利なシルバー民主主義そのものだ。
18歳選挙権スタートを機に、世代間の負担構造を見直せ
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