2013.8.1
アフラックに屈服したTPP日本 郵便局との提携が国民皆保険を空洞化する
日本のTPP参加に歩調を合わせるかのように、アフラックと郵便局の提携が明らかになった。農業分野で米国から譲歩を引き出すために、官邸の意向が働いた模様だ。この提携は日本が誇る国民皆保険制度を空洞化する第1歩になりかねない。
ジャーナリスト
やまだ・あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなどを務める。
2013.8.1
日本のTPP参加に歩調を合わせるかのように、アフラックと郵便局の提携が明らかになった。農業分野で米国から譲歩を引き出すために、官邸の意向が働いた模様だ。この提携は日本が誇る国民皆保険制度を空洞化する第1歩になりかねない。
2013.7.18
目前に迫った参院選は自民党独走の情勢だ。なぜ、反自民リベラルは一本化できないのか。そこでは、敗北の美学、細部の違いにこだわる内ゲバ体質、連合依存が絡み合い、新しい風すらもつかみそこねている。
2013.7.4
中国の金融市場に不穏な空気が漂っている。波乱の背景にあるのは「影の銀行」の存在。崩壊すれば地域に深刻な打撃を与え、共産党独裁体制の基盤を揺るがしかねない。「影の銀行」とは何か。その実態を報告する。
2013.6.20
北アイルランドで開かれたG8では、アベノミクスが高く評価されたという報道ばかりが目立つ。だが、最重要課題は租税逃れをする多国籍企業とタックスヘイブンだった。G8の合意は本格的な規制には程遠い内容だ。
2013.6.6
安倍首相側近のリフレ派学者は消費税の引き上げを見送るべきだ、と言い始めた。議論は封印されたが、背景には経済観の違いがあり妥協は容易ではない。首相側近と財務省の深い溝は、安倍・麻生の抗争に発展する可能性さえ秘めている。
2013.5.23
飯島勲内閣府官房参与が訪朝した。北朝鮮と対話の扉が開けたら評価に値する外交である。北が中国依存からの脱却を図ろうとする今こそ、好き嫌いを超えた冷静な外交で北を無害化する好機だ。
2013.5.9
先日の外遊で、安倍首相はアラブ首長国連邦、トルコを訪れ原子力協定を結び、原発輸出を約束した。その本質は、脱原発への流れを押しとどめようと、まず海外から外堀を埋める。よその国がこんなに頼りにする原発を、なぜ日本の皆さんはダメだという…
2013.4.25
いよいよ7月から日本がTPP交渉に参加する。だが、米国との事前交渉では最大の武器である自動車で譲歩する一方、得たものはほとんどない。交渉前から、外交的な敗北が始まっている。
2013.4.11
黒田日銀が打ち出した大胆な金融緩和策に、市場は興奮状態だ。だが、強い薬には副作用がある。異次元の金融政策は異次元のエネルギーとされた原発と重なる部分がある。リスクを軽視した「強者の慢心」は危うい。
2013.3.28
EUの小国で地中海に浮かぶ島国・キプロスで、銀行封鎖・預金課税という荒療治が始まった。直接の原因はキプロスの銀行がギリシャ国債を大量に買い込み、大穴をあけたためだ。この危機は果たして他人事なのだろうか。
2013.3.14
安倍首相は15日にもTPP交渉参加を表明する。最大の問題はTPPが秘密交渉で、その内容が国会議員にすら知らされていないことだ。民主党の前原誠司氏がその一端を暴露したが、米国の姿勢は内容はフェアという言葉からは程遠い。
2013.2.28
日米首脳会談が開かれ、日本はTPPにおいて「関税撤廃に聖域」があるという言質を取ったかのように報道されて。だが、米国の本当の狙いは非課障壁の突破にあることに、気付かねばならない。
2013.2.14
中国軍艦によるレーダー照射問題は、両国の軍に対する文民統制のあり方に疑問を投げかけている。中国側では、人民解放軍の突出をうかがわせ、日本側の対応は政治的な未熟さを感じさせる。
2013.1.31
日本新聞協会が消費増税を前に「軽減税率の適用」を求めている。紙面では増税の旗を振りながら、「業界」としては軽減税率要求する。これはおかしくないか。何に課税すべきか。まず「消費者に語らせよ」、である。
2013.1.17
権力者による言論封殺に中国紙「南方週末」の記者が体を張って抵抗し、人々もこれを支援した。果たして日本のジャーナリズムは、これは言論統制が行われている中国の出来事と笑い飛ばせるだろうか。
2013.1.4
昨年末に安倍新政権が発足し、2013年は波乱含みの幕開けだ。円安・株高へと経済の潮目も変わった。これは果たして「好転」なのか「破局」への道なのか。今年は政府への信任が問われる年になる。
2012.12.20
自民圧勝の総選挙は「中道左派=リベラル」の退潮を印象付けた。米国でオバマ大統領を支えたのはリベラルであり、フランスのオランド大統領は社会党だ。格差を生み出すグローバル市場主義に平等志向で対峙する中道左派はなぜ日本で支持を得られない…
2012.12.7
世論調査によると自民党が第一党になりそうだという。各党の公約を見てみると原発容認と改憲論・右旋回が結びついている構図が浮かび上がる。その点で、今回の総選挙では国家・社会の在り方が問わている。
2012.11.22
安倍自民党総裁が「超」金融緩和路線をぶち上げるや、市場は株高、円安で応じた。だが、日銀が無制限にお札を刷てもハイパーインフレにはならないと、だれが言い切れるのか。安倍氏の金融政策はあまりにも危険である。
2012.11.8
オバマ大統領が再選された。有権者は「米国は特別な国」という過去の栄光を諦める決断した。オバマは「撤退作戦を担うリーダー」として歴史的役割を背負うことになる。結果、日本へは役割分担の要求が強まるだろう。
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