2016.6.6 脚本家 山田太一ドラマの魅力の秘密 一見、日常生活を描いているような山田太一のドラマは、なぜ魅力的なのだろうか。山田は日常生活の中に「ひとつフィクションを入れるんですね」と語る。山田ドラマの魅力に迫ってみる。
2016.5.23 なぜ、いま田中角栄がブームなのか? 石原慎太郎が『天才』(幻冬舎)を著し、田中角栄を称揚したことに違和感を消せない。ほとんどすべての面で対極に位置していた人物だからである。角栄は民主主義者であり、身を賭して日中国交回復を成し遂げ、老婆心を持った政治家だった。
2016.5.9 外相にしたかった「女優」 岸恵子 かの名監督・小津安二郎は女優・岸恵子を「岸恵子は良いよ。身持が悪くって」と評した。それは最大の賛辞だった。フランスに渡った岸はこう言う。「あー、私、日本の悪口を言い出したら3日3晩かかりそう」、「でもね、それ自分の国だから夢中になる…
2016.4.25 夏樹静子はなぜ生保が舞台の『遠い約束』を書いたか ミステリーで有名な夏樹静子は、生保を舞台とした企業小説『遠い約束』を書いている。彼女は「女には企業は書けないと言われると、企業を書きたくなる」と、私に語った。
2016.4.11 『週刊こどもニュース』で読者を発見した池上彰 当代きっての売れっ子・池上彰に「解説からもう一歩出るべき時もあるじゃないですか」と迫ると、「私のやってる仕事っていうのは啓蒙活動ですよ。本当に基礎の基礎の啓蒙活動をしているにすぎません」と自己規定した。
2016.3.28 城山三郎に教わった阿川佐和子の「聞く力」 「当時、私は30歳でしたが、世の中のことをなんにもわかってなかったですから、ひたすら怖かったですね。家に帰れば父に怒鳴られ、職場では秋元さんに怒鳴られ、悲惨な生活を送っていました」
2016.3.14 ケンカしながらわかり合う 田原総一朗との不思議な関係 私が兄事したころの田原は、私へのこの過褒を借りれば、鋭いシュートボールを投げていた。それがそうではなくなったとして私は批判を始め、1998年3月15日号の『週刊読売』で最初の激突対談をした。
2016.2.29 「憲法をぞうきんのように使え」 101歳の現役ジャーナリスト むのたけじ 戦争犯罪人として裁かれた東条英機とむのは記者時代に会ったことがある。首相の東条の秘書官が演説について、「閣下が入れ歯を治して、それがうまくはまらないから、発音が悪かったんでしょう」と言っているのを聞いて、むのはそれをコラムに書いた…
2016.2.1 今、なお、国を憂う 「ヨイトマケの唄」美輪明宏の存在感 美輪は10歳で敗戦を迎えるわけだが、その直前に軍人たちが、「みんな、玉砕の覚悟をしろ。1億玉砕、天皇のために最後の1人になるまで戦って死ぬんだ」と言うのを聞いて、変だ、と思った。
2015.12.21 ナチスからユダヤ人を救った異色の外交官、杉原千畝 日本は4年前の1936年にナチス・ドイツと日独防共協定を結んでいる。日本領事館がユダヤ人にビザを発行したことがわかれば、杉原はゲシュタポに命をねらわれかねなかった。
2015.12.7 論敵なのに嫌いな人間は同じだった西部邁 まもなく、西部はしばしば、「サタカ君を左翼にしておくのは惜しい」と私を冷やかし、私も、「西部さんは保守にしておくのは惜しい」と笑って返すようになる。
2015.11.23 気さくな名物経営者 樋口廣太郎の勲章拒否宣言 苦情をある種の宝として大切にしたことが、アサヒビールの奇跡の急成長の秘密だったことは容易に想像がつく。“朝日”ビールではなく“夕日”ビールだと陰口を叩かれるほど、当時、アサヒビールはキリンなどに差をつけられていたからである。
2015.10.26 サンダル履きが似合う女優 倍賞千恵子の実像 「私なんか中卒だったから、国語でも数学でも社会科でも、わからないことがいっぱいあるんですよ。だから、勉強するだけですごいなあと思うし、だから、俳句でいろんな勉強をしたあとの飲み会が楽しいんです」
2015.10.13 喜劇の中にある奥深い哀しみ 渥美清の「寅さん」 渥美清は「寅さん」をいつも映画館で観ていた。もちろん、観客に渥美とわからないように気をつけてである。それも新宿で観たり、銀座で観たり、浅草で観たりする。すると、反応が違うのである。
2015.9.28 学校教育に洗脳されなかった シールズ奥田愛基の野生 「そういう親父のもとに育って、中学で家を出ました。北九州にいたときは不登校とかいろいろあって、というか家と世俗の価値観があまりにも合わなすぎて」。
2015.9.14 人生を賭けて戦争反対を貫く 森村誠一の原点 「そういう組織に属していない個人のほうが恐ろしいですね。『近日参上』と赤いインクで書いてある差出人の住所、氏名は秘匿した手紙が連日束になって届いたり、石を投げてきたり、玄関にペンキをかけられたり。」
2015.8.31 国家の圧力に耐えて筋を通す 鈴木宗男の魅力 「権力がいま何を一番利用しているかと言うと、メディアを利用しているんですよ。よくマスコミのみなさんは『反権力』と言いますよ。ところが、検察だとか警察情報なんて裏が取れないのですから。リークされたらそれを載せるしかない。そしてまたリ…