2019.8.23
トランプの「常識を壊す」再選戦略、景気後退を顧みないリスクも
米国で景気後退観測が浮上している。過去の大統領選を振り返ると、景気後退はトランプ大統領再選の大きな障害になるはずだが、常識を破って当選した大統領だけに、「不景気でも再選できる」という賭けに出る展開が懸念される。
みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部長
1991年富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。在米日本大使館専門調査員、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長などで米国に勤務し、同時多発テロ、金融危機、オバマ政権の誕生などを経験。同欧米調査部長などを経て、23年4月から現職。経済・財政政策、政治を中心に、一貫して米国を担当。テレビ東京『Newsモーニングサテライト』等に出演、著書に『ブッシュのアメリカ改造計画(共著、日本経済新聞社)』『アメリカ選択肢なき選択(日本経済新聞出版社)』『やっぱりアメリカ経済を学びなさい(共著、東洋経済新報社)』などがある
2019.8.23
米国で景気後退観測が浮上している。過去の大統領選を振り返ると、景気後退はトランプ大統領再選の大きな障害になるはずだが、常識を破って当選した大統領だけに、「不景気でも再選できる」という賭けに出る展開が懸念される。
2019.7.24
2020年の大統領選挙を前に、米国が人種問題に揺れている。トランプ大統領が人種差別とも批判される言動で白人票固めを急ぐ一方で、民主党の各候補は黒人票の獲得を競う。重い歴史を持つ人種間の分断が、大統領選挙を左右しそうだ。
2019.6.21
G20サミットが近づき、米中摩擦の今後に注目が集まるなか、米国による対メキシコ関税引き上げ騒動は、すっかり過去の出来事になってしまった感がある。しかし、「ひと時の悪夢」と片づけるのは早計だ。一連の騒動を通じて、トランプ政権の政策運営…
2019.5.17
にわかに高まる米中の緊張に対し、米国内での政治的な反発は思いのほか盛り上がらない。来年の大統領選挙を考えれば、中国とのディールを求める力学が高まるはずだが、大統領選挙への計算がむしろトランプ大統領を強気な姿勢に駆り立てている。
2019.4.9
次期大統領選挙に向けた動きが活発になってきた米国で、巨大企業のもたらす弊害が争点になっている。やり玉にあがっているのは、フェイスブックやグーグルといったハイテク系の大企業ばかりではない。企業活動にどんな影響を与えるのだろうか。
2019.2.19
米国のトランプ大統領が、メキシコとの国境に壁を建設する予算確保のために、非常事態を宣言した。異例の強硬手段に至った党派対立の厳しさに注目しがちだが、今回の攻防からは、大統領と議会との関係が大きな転機を迎えていることが見て取れる。
2019.1.24
年収1000万ドル以上の富裕層を対象に、所得税の最高税率を70%に引き上げる。こんな提案が、米国で注目されている。現在の最高税率は37%だが、これを一気に2倍近い水準へ引き上げようというのだから、大胆だ。いったい、どういうことなのか。
2018.12.17
米国が政府閉鎖の瀬戸際にある。トランプ大統領が求めるメキシコ国境への壁建設の予算を巡り、民主党との対立が表面化しているからだ。もっとも予算の規模からすれば、それほど壁の建設は難しい課題ではない。問題は政権の案件処理能力の劣化だ。
2018.10.16
世界を揺るがしてきたトランプ大統領の保護主義的な通商政策も、いまだ解決の糸口が見えない中国との関係を除けば、一旦は小康状態を迎えたように見える。しかし、中間選挙が終わった暁には、これまで以上に厳しい環境で再起動されるリスクがある。
2018.9.11
ジョン・マケイン上院議員の死去により、米国では党派を超えた協力関係があった時代への憧憬が高まった。現実には、トランプ大統領を支持する白人労働者が米国の分断を深刻化させている。それはかつての「教会」のようだ。
2018.8.9
米国の議会中間選挙まで3ヵ月を切った。上下両院で多数党となる共和党は、下院で多数党陥落の危機にある。劣勢の一因はトランプ大統領への批判だ。大統領自ら共和党議員の支援に乗り出すが、それは共和党にとって危うい賭けだ。
2018.6.28
同盟国を敵に回したG7首脳会談、北朝鮮との歴史的な首脳会談、高関税の脅しをかける中国との通商戦争など、トランプ外交が世界を翻弄している。その背景には、20世紀初頭の共和党への先祖返りと支持者の変質が見える。
2018.5.31
米国では、トランプ政権の方針に州政府が反旗を翻すことが多い。州政府の独自性は米国の特色だが、連邦政府との行き過ぎた対立は、ビジネス界の悩みのタネだ。スポーツ賭博解禁を取り巻く状況が、それを象徴している。
2018.4.26
2020年度に米国の財政赤字が1兆ドルを超えるという衝撃の予測が、米議会予算局(CBO)から発表された。CBOは「大統領の抵抗勢力」として完全中立の立場をとるため、政界からの風当たりは強い。その姿勢を貫けるか。
2018.3.29
米国で財政赤字が止まらない。それなのに、政権を握る共和党はこれまでの「小さな政府」路線を転換せざるを得ない状況に追い込まれている。支持者が高齢化しているからだ。一方、これまで高齢者層に従ってきた若年層には、“反乱”の兆しも見えてき…
2018.2.23
米国のドナルド・トランプ政権の通商政策について、「11月の中間選挙を前に、支持者向けに保護主義色を強めるのではないか」との懸念が広がっている。しかし、中間選挙への影響だけを考えれば、トランプ政権にとって保護主義は得策ではない。本当に…
2018.1.29
トランプ米大統領の就任から1年が過ぎた。人騒がせな言動とは裏腹に、米国経済は堅調に推移している。規制緩和や税制改革等の成果はあるが、好調な株式市場が危うい政策の防波堤となっている。
2017.12.4
米国で、本来であれば目立たないはずの補欠選挙が、にわかに注目を集めている。12月12日に投票が行われるアラバマ州の上院補欠選挙には、米国政治が抱える論点が凝縮されているからだ。その行方は、税制改革の行方等にも影響を与えそうだ。
2017.11.6
財政赤字が拡大基調に転じた米国で、さらに赤字を増やすような税制改革の議論が進んでいる。財政赤字を問題視する機運は、なぜ高まらないのだろうか。
2017.10.16
トランプ大統領の攻撃的な発言に注目が集まり、政策の調整の難航、格差や移民問題も根深い米国。本連載はシンクタンクの調査員として長年米国に駐在し、同時多発テロや金融危機、オバマ政権の誕生等も経験した著者が今の米国の経済・政治を読み解く…
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