2021.6.10
バイデン6兆ドル予算教書のリスク、「大きな政府」変容も見えない全体像
バイデン政権の2022年度予算教書は「米国雇用プラン」などを盛り込み、コロナ禍後、米国が「大きな政府」に変容することを示す。だが選挙公約の年金や医療の改革は抜け落ち、全体像は見えない。
みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部長
1991年富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社。在米日本大使館専門調査員、みずほ総合研究所ニューヨーク事務所長などで米国に勤務し、同時多発テロ、金融危機、オバマ政権の誕生などを経験。同欧米調査部長などを経て、23年4月から現職。経済・財政政策、政治を中心に、一貫して米国を担当。テレビ東京『Newsモーニングサテライト』等に出演、著書に『ブッシュのアメリカ改造計画(共著、日本経済新聞社)』『アメリカ選択肢なき選択(日本経済新聞出版社)』『やっぱりアメリカ経済を学びなさい(共著、東洋経済新報社)』などがある
2021.6.10
バイデン政権の2022年度予算教書は「米国雇用プラン」などを盛り込み、コロナ禍後、米国が「大きな政府」に変容することを示す。だが選挙公約の年金や医療の改革は抜け落ち、全体像は見えない。
2021.5.4
米国では、二大政党の意見が分かれる社会的な争点において、企業が旗色を鮮明にする事例が増えている。移民問題や人種格差などの論点では、民主党に近い態度を表明する場合が目立ち、これまで親密だった共和党との関係が微妙になっているのだ。背景…
2021.3.26
米国のバイデン政権が、巨額の追加経済対策成立の勢いに乗り、インフラ対策などの公約実現に歩みを進めようとしている。危機を背景にした世論の団結を「大きな政府」への求心力として維持できるかが、バイデン政権にとっての勝負となる。行方には何…
2021.2.24
バイデン政権の経済政策のキーワードとして浮上してきたのが、「人種間の公平」だ。黒人やヒスパニックの苦境を、これまでの政策などによって積み上げられてきた歴史的・構造的な問題として捉えている。しかし、構造的な格差への取り組みは、人種間…
2021.1.14
トランプ大統領支持者による連邦議会議事堂占拠事件の衝撃が冷めやらぬ米国で、いよいよバイデン新政権が誕生する。民主主義の象徴である議事堂で犠牲者が出るほどの熾烈な分断の中、超党派による政策運営は実現するのか。そこで試されるのが、バイ…
2020.12.15
米国では、次期大統領に就任予定のジョー・バイデン氏が、新政権の人事を次々と発表している。浮かび上がってきたのは、女性や黒人など多様性への配慮を強調しつつ、要所に米国の行政・政治を知り尽くしたインサイダーを配した布陣だ。この人事には…
2020.11.10
民主党のバイデン氏が大統領選挙の勝利演説を行った。劇的な勝利ではあるが、大統領・議会選挙双方での圧勝が予測されていた下馬評と比べれば、期待外れの感もある。果たしてバイデン氏は、どのような「勝利」を収めたのだろうか。その成果と限界を…
2020.10.2
終盤戦に入った米国の大統領選挙では、民主党のバイデン氏のリードが続いている。バイデン氏の公約については増税の悪影響が懸念されるほか、投開票の混乱や党派対立の深刻化も予想され、不透明感が強まっている。政権交代が起きたときに見えて来る…
2020.8.18
民主党の全国党大会を経て、バイデン氏が大統領選の大統領候補に正式に指名される。これに先立ちバイデン氏は、ハリス氏を副大統領候補に選出し、11月の本選挙への体制を整えた。遅れに遅れた副大統領選出の経緯から、「バイデン政権」の姿を占う手…
2020.7.21
米国大統領選挙で、トランプ大統領の苦境が深まっている。ジョー・バイデン氏への政権交代が実現すれば、米国の対中政策も変化を迎えるだろう。果たして、米国第一主義は変わるのか。政権交代によって生まれる新しい米中関係が、同盟国にどのような…
2020.6.15
米国で、ドナルド・トランプ大統領の再選に強い逆風が吹いている。人種問題への関心の高まりに加え、新型コロナウイルスの感染拡大と、それにともなう景気減速という三重苦によって、再選失敗への道筋がはっきりと浮かび上がってきた。民主党は首尾…
2020.5.29
新型コロナウイルス対策に国をあげて取り組んできた米国が、「大きな政府」に傾斜している。大恐慌がニューディール政策のきっかけとなったように、このままコロナ後の米国は大きな政府に進んでいくのだろうか。カギを握るのは、政府に対する有権者…
2020.4.17
新型コロナの感染拡大を受け、大型の経済対策を講じてきた米国で、景気の落ち込み度合いに合わせて、自動的に対策を継続・強化する仕組みが注目されている。政治の機能不全が起きる中、財政の自動安定化機能の強化が急務となっている。
2020.3.19
新型コロナウイルスの急速な感染拡大が、米国を襲っている。米国第一主義で国内の分断を招いているトランプ政権は、1兆ドルを超える対策の実現を急ぐ。再選を目指すトランプ大統領の政策運営は、思わぬ形で正念場を迎えている。
2020.2.20
米国大統領選挙の候補者を選ぶ民主党の予備選挙で、本命視されていたバイデン前副大統領が失速している。中道派の絞り込みが遅れる一方で、世論調査ではリベラル派のサンダース上院議員が首位に躍り出た。バイデン氏の失速で漁夫の利を得るのは、い…
2020.1.21
大統領選挙イヤーを迎えた米国では、民主党の予備選挙で全米の先陣を切るアイオワ州の党員集会が2月3日に迫る。再選に挑むトランプ大統領の対抗馬は誰になるのか。いよいよ本格化する民主党の予備選挙と米国政治の今を読み解く。
2019.12.19
米中合意で株式市場が大きく動いている。「不確実性の霧」が晴れるかどうかが材料視されているが、それだけでは近視眼的な「取引」に没頭するトランプ大統領の視点と変わらない。たとえ米中の合意が守られたとしても、摩擦発生前と比べてリスクは格…
2019.11.22
再選を目指す米国のトランプ大統領が、2017年の大型減税に続く追加減税の提案に向けた用意を進めている。その背景には、2017年減税への評価が芳しくないという事情がある。トランプ大統領は「減税2.0」で汚名返上できるだろうか。
2019.10.28
米国では、来年の大統領選挙での民主党の指名候補を選ぶ予備選挙で、エリザベス・ウォーレン上院議員が主役に躍り出た。ウォーレン議員の提案はビジネス界にとって気がかりな内容が目白押しだ。「まさか」の可能性が出てきたウォーレン政権の誕生と…
2019.9.24
トランプ大統領がパリ協定からの離脱を宣言するなど、気候変動対策への懐疑的な態度が目立つ米国だが、有権者の関心は着実に高まっている。特に若年層の意識は高く、2020年の大統領選挙でも、重要な論点になりつつある。共和党はこの動きにどう向き…
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