千本木啓文
#1
JR東海の葛西敬之名誉会長が、亡くなる直前まで部下らにげきを飛ばしていたのがリニア中央新幹線のプロジェクトだ。リニアは技術面や収益面で課題が多いため、JR他社からは「トップ交代後に計画が軌道修正される」とみられていた。だが、財政投融資から3兆円の投入が決まると、計画の見直しは困難になった。建設コストの高騰や旅客数の減少が追い打ちを掛けて採算が見通せなくなっているリニアの実態を独自試算で解明する。

三重県のJA津安芸が、職員に残業代を支払っていなかったことがダイヤモンド編集部調べで分かった。この農協では、職員が営業ノルマを達成するために本来、不要な保険に加入する“自爆営業”が横行している。JA津安芸以外でも、自爆営業が横行している農協で労働基準法違反が複数発生している。自爆とサービス残業の二重苦を職員に強いる“ブラック農協”は、人材流出に歯止めがかからなくなる大問題に直面している。

JA共済「自爆営業」平均額は月5.4万円!?職員ら1386人の声で判明した“ワーストJA”
『週刊ダイヤモンド』11月5日号の第1特集は「JAと郵政 『昭和』巨大組織の病根」です。農協と日本郵政は、いまや「変われない組織」の代名詞です。問題は、前時代的なノルマ営業や“自爆推進”だけではありません。耳を疑うような露骨なパワハラやセクハラが横行し、それらを隠蔽(いんぺい)する古い体質も温存されたままです。若手の職員や社員から見放されつつある巨大組織の病根を徹底解明します。

三菱電機が1年4カ月の調査の末に、品質検査不正に関する報告書を公表した。これまでも中間報告などを行っており、調査結果の発表は4回目となる。同社は、その最終報告書で、柵山正樹前会長が不正に直接関与していた事実を明らかにした。なぜ柵山氏はもっと早く不正を認めなかったのか――。その理由にこそ三菱電機の闇が隠されている。

インサイダー取引を行った事実を認めながら、農協会長の座に居座っていたJAならけんの中出篤伸氏が正式に辞意を表明した。だが、来年9月まで経営トップの座に残留することや、院政を敷く動きを見せていることに組織内外から強い反発が起きている。

#15
2023年夏、JAグループの役員改選が行われる。注目はグループの司令塔であるJA全中の会長選挙だ。有力候補が下馬評通りに当選すれば、JAグループの自民党農林族への依存はさらに深まり、農協改革は停滞しそうだ。農協の命運を左右するトップ人事を巡る勢力争いに迫る。

#14
日本最大級の“圧力団体”とされてきた農業者政治連盟(農政連、農協の政治団体)と、全国郵便局長会(全特)の集票力の低下が止まらない。農協と郵便局長の政治力の衰えの真因と、両組織が抱える政治との癒着の問題を解明する。

#13
JAならけんの中出篤伸会長がJA全農の役員の地位を乱用してインサイダー取引を行った。驚くべきことに、中出氏は違法行為の事実を認めた後も農協の会長ポストに居座り続けた。だが、9月になって事態は急展開した。農家らが中出氏の辞任を求める運動を起こしたのだ。関係者によれば、本稿執筆時点(9月21日)で中出氏は辞任を受け入れる意向を示している。だが、院政を敷こうと子飼いの役員を会長に据える後継人事を模索しているともいう。農家らは役員の刷新を要求しており、経営陣との対立は続きそうだ。JAならけんの権力闘争の舞台裏と、経営の混乱がもたらす“農協離れ”の実態を明らかにする。

#12
独り暮らしの90代の女性が、農協に勧められて共済(保険)を25件も契約し、月15万円もの共済掛け金の支払いで貯金残高が尽きかけていた――。それを知った子や孫の憤りはいかばかりか。しかも子や孫は、自分が共済の契約者になっていることを知らず、当然、申込書にサインしたこともなかった。全国で相次ぐ共済の不適切販売の被害者が、農協の不正の手口とそれが明らかになった後の不誠実な対応を暴露する。

#8
農協職員は、共済(保険)のみならず物品の販売についてもノルマを持たされている。売り込むのはコメや牛肉といった農産物にとどまらず、宝石や家電なども含まれる。中には年間300万円の物販の目標を課せられている職員もおり、ノルマ達成のために自ら商品を購入することも多い。農協職員アンケートの回答に基づいて作成した、ノルマ達成のために買った無駄なものランキングをお届けする。

#6
JA兵庫西は、ダイヤモンド編集部の「JA共済“自爆営業”農協ランキング」で上位に入るなど、営業目標の必達を職員に求めることで有名な農協だ。JA兵庫西の営業部隊の前時代的な仕事ぶりを明らかにするとともに、職員が農協から借りた資金で、自爆した共済の掛け金を払う悲惨な実態を暴露する。

#5
日本郵政は楽天グループを物流事業のテコ入れやデジタルトランスフォーメーション(DX)のパートナーとして選び、1500億円を出資した。だが、両社の提携には暗雲が垂れ込めている。楽天の携帯電話事業やインターネット販売の宅配などにおいて、日本郵政の力を最大限に引き出す協力体制を築けていないのだ。両社の提携のちぐはぐさを明らかにする。

#4
コメの産地偽装などの不祥事で信用が失墜し、再出発をしていたJA高知県で、新たな問題が持ち上がった。マネジメントの模範を示すべき人事部長が、パワハラが疑われる行為を繰り返し、部下5人が退職に至ったのだ。なかなか根治しない、JA高知県の組織風土の病に迫る。

#2
ダイヤモンド編集部は、農協職員ら1386人から得たアンケートの回答に基づき、農協職員が本来は不要な共済(保険)に加入する“自爆営業”が横行しているワースト24JAのランキングを発表する。1位の農協の職員は、共済事業の大元締めであるJA共済連から農協トップに流れる報酬の額を暴露した。共済の自爆営業の実態と、それを誘発するJAグループの職員搾取のカラクリを明らかにする。

#25
ダイヤモンド編集部は、自衛官らに「武器」などの評価を聞くアンケートを実施し、108人から回答を得た。防衛の最前線にいる自衛官の投票による「国産化&投資すべき未来の技術ランキング」を公開する。潜水艦など従来の防衛装備を抑えて上位を独占したのは、新時代の戦いを象徴する装備・技術だった。

#24
ロシアから軍事侵攻を受けているウクライナは、サイバー攻撃の影響をコントロールしていると伝えられるが、実際はどうなのか。防衛省の初代サイバー防衛隊長を務めた佐藤雅俊氏に、両国で繰り広げられる「サイバー戦」の実態について聞いた。

#22
ダイヤモンド編集部は、自衛官らに「武器」などの評価を聞くアンケートを実施し、108人から回答を得た。防衛の最前線にいる自衛官が選ぶ「海外から買うべき武器ランキング」をお届けする。台湾有事のリスクが高まる中、必要性が増している防衛装備とは。

#19
ダイヤモンド編集部は、自衛官を対象にアンケートを実施し、108人から回答を得た。自衛官が選定する「お宝技術を持つ企業ランキング」を公開する。防衛に関連する技術から、日本の国力を飛躍的に高める“ゲームチェンジャー”が生まれるかもしれない。

#15
ダイヤモンド編集部は、自衛官らに「武器」などの評価を聞くアンケートを実施し、108人から回答を得た。防衛の最前線にいる自衛官の投票による「不要なハリボテ武器」ランキングをお届けする。ウクライナ危機で「不要論」が高まった戦車の運命は?

#14
台湾有事の際、多くの日本人は米軍が台湾を守るために中国と戦ってくれると思っている。自衛隊が戦いに参加するとしても米軍の「後方支援」にとどまり、被害は大きくならないと楽観視する人も少なくない。ところが安全保障の専門家の間では、自衛隊がかつてない被害を受ける“過酷なシナリオ”が主流になりつつある。米軍の作戦によっては「自衛隊が正面から人民解放軍と戦うケースもあり得る」というのだ。台湾有事の本当のリスクとは。
