総予測#27Photo:Hugh Brown/gettyimages

2021年に約1兆円を投じた米IT企業の買収という大博打に出た日立製作所とパナソニック ホールディングス――。巨額買収から1年余りたち、その明暗が分かれている。特集『総予測2023』の本稿では、巨額買収の成否や車載機器事業で格差が拡大しそうな23年の電機業界を予想する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

成長事業として期待されたDXと
車載機器でも格差拡大へ

 日本の電機業界は近年、思い切った成長投資を行う企業が少なかったが、日立製作所とパナソニック ホールディングスは2020年、1兆円規模の大型のM&A(企業の合併・買収)に打ってでた。

 両社が買収したのは共に米国のIT企業だ。社運を懸けた巨額買収は是が非でも成功させなければならない。ところが、虎の子の米IT企業の業績で明暗が分かれている。

次ページでは、日立とパナソニックによる巨額買収の成否を予想すると共に、電機各社の明暗を分ける「2つの鍵」についても触れる。