松野友美
第26回
東京五輪・パラリンピックの20年開催が決まり、都心の再開発も加速して、業界は右肩上がりに回復し絶頂期を迎えた。過去の不況期に何を考え、今の経営に生きる学び、教訓はあるか。この問いをスーパーゼネコン大手5社の社長にぶつけた。

第25回
建設業は「きつい」「汚い」「危険」の3K職場というイメージが付きまとうため若者に敬遠され、他の産業と比較して若年層の割合は減る一方で高年齢層の割合が増え続けている。330万人いる職人は、今後10年で3分の1が引退すると見込まれる。このままでは人手不足によって産業が崩壊しかねない。テクノロジーは救世主となるのか。建設テックへの投資を強化するゼネコン大手5社トップに聞いた。

スーパーゼネコンの清水建設は、約500億円を投じて洋上風力発電施設の建造に使う超大型SEP船を建造することを決めた。市場が未熟でリスクが大きいと言われる洋上風力発電に莫大な投資を行うものの、勝算はあると言う。

2018年に「日立工機」から社名変更した「工機ホールディングス(HD)」は設立70年を超える大手電動工具メーカー。17年に米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)傘下のHKホールディングスの完全子会社となり、日立グループを離脱した。同年に東証1部上場を廃止となり、電動工具のメインブランド名を「HiKOKI(ハイコーキ)」に一新。今年4月に就任した森澤篤社長が変化の様と業界首位を目指す戦略を語った。

ゼネコン大手4社の2019年3月期決算が出そろった。東京五輪関連や首都圏での再開発の増加などで好調な状況が続き、大林組、清水建設は増収増益だ。この好調はさらに続くのか。五輪後の稼ぎどころは何なのか。

道路舗装大手の前田道路株を香港の投資ファンドが買い増ししていることが分かった。総株式数に対し、わずか数パーセントの保有でも要求提案を行う“物言う株主”が日本のゼネコンに触手を伸ばしている。

第161回
工事現場は携帯電話がつながりにくい。こう聞くと、山の中やトンネルの現場を思い浮かべるかもしれないが、街中にあるビルの高層階や地下も例外ではない。

2020年の東京五輪で選手村となる東京・晴海の巨大開発地区は、五輪終了後に5632戸のマンション群を擁する街に姿を変える。5000万円台の分譲もあり、見学予約が殺到している。値付け、内装や引き渡しのスケジュール、交通など異色尽くしの大規模開発「HARUMI FLAG」をレポートする。

巨額工事費が世間の批判にさらされ、当初のザハ案が白紙撤回された新国立競技場。見直し案も着工が1年以上遅れ、懸念含みの問題案件と見られてきたが、今年11月末に計画通り竣工を予定する。受注した大成建設JVは周囲の赤字工事予想を覆し、黒字化の気配さえある。

リニア中央新幹線の品川駅と名古屋駅の建設における鹿島と大成建設の独占禁止法違反を問う裁判が始まった。無罪を主張する2社に対して、同じ入札に参加した大林組と清水建設はすでに違反を認め罰金刑が確定している。ゼネコン国内トップ4社で認識が分かれ、対立を深めている。

今秋開催されるラグビーワールドカップで会場の一つとなる「えがお健康スタジアム」(熊本市)で、大型ビジョンの鉄骨土台の建設が止まっている。原因は業界が「まさか足りなくなるわけがない」と思っていた小さな部材、ねじにある。

ゼネコン各社で「大阪万博」案件の受注争奪戦が繰り広げられている。昨年11月に2025年の国際博覧会(万博)開催地が大阪に決定、「まだ先の話だから」(ゼネコン幹部)と言いながら、水面下での戦いのゴングは決定前から鳴っていた。

鹿島を代表とする共同企業体(JV)が2006年に受注した総工費5400億円のアルジェリア高速道路工事は、代金の未払いをめぐって同国政府と対立し、16年に和解、決着したかに見えた。ところがこの11月、JVに参加した大成建設など3社が鹿島に賠償金約1000億円を請求。JV内バトルが始まった。

記録的な猛暑だった今夏、ルームエアコンが飛ぶように売れた。国内の年間出荷台数は過去最高の940万台以上になると予想される。暑さが過ぎた今、空調メーカー最大手のダイキン工業は、来春から初夏ごろに発売を目指す業務用屋外エアコンの開発を急いでいる。
