松野友美
#1
大手ゼネコンの大成建設は7月15日、都内建設現場で従業員15人を含む17人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。それ以前は状況を一般に公表せず、積極的な工事中断方針も掲げてこなかったが、実はすでに社員の感染死や工事現場での感染は起きていた。

予告編
ゼネコン「我が世の春」終焉!遅れてやってくるコロナの逆風
東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発や公共インフラの設備などの旺盛な建設需要によって、近年の建設業界は「我が世の春」を謳歌してきた。そんな業界をコロナ危機が襲った。建設工事の一時的な中断や閉所に追い込んだだけで終わらない発注者の設備投資の見直しは、ゼネコン間の受注競争に拍車を掛けることになる。そして業界再編は新たな局面に入る。

大手ゼネコンの大林組、鹿島、大成建設の2020年3月期決算は3社とも増収。コロナ危機の影響を受けて、純利益は増益と減益に分かれた。さらに21年3月期予想は楽観論と悲観論に分かれた。

大成建設「けじめ」で社長交代、会長残留でトロイカ体制か院政か
大手ゼネコンの大成建設が社長交代を発表した。2020年3月期は増収増益だが、この21年3月期に最終年度を迎える3カ年の中期経営計画は、目標未達が明らかになったため「けじめ」をつけるかたちだ。現社長は副会長に就き、会長は留任という新体制の全容に迫る。

JR東日本、JR東海、JR西日本の3社は、2020年3月期決算で各社約10年ぶりの減収減益となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、もろに打撃を受けた。

#23
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、建設業界ではGW明けまで工事を中止する方針を掲げるゼネコンが相次いでいるが、工事を継続している現場も多数ある。そうした現場で横行している「コロナ対策偽装」の実態を暴く。

#21
都内の建設現場が「コロナ隠し」を懸念して工事を中止した。4月20日に現場の下請け作業員を名乗る人物が元請けであるゼネコンへメールで告発し、同日にこのゼネコンから協力会社へ「現場休止」の通知が出されたのである。

#16
新型コロナウイルスについて「屋外の風通しの良い所で工事しているんだから、感染の心配はない」なんていう建設業界の楽観論は、工事現場に出入りしていた清水建設の社員が亡くなったことによって打ち砕かれた。「トイレの数も、流す水も足りない。せめて手洗いできる環境が欲しい」と現場には恐怖が渦巻く。工事中止を巡る最新事情、工事現場の今、そして下請けが抱く補償への不安をレポートする。

コロナによる公共事業の工事中止、国が認めてもわずか「2%」の理由
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国は公共工事について3月15日までの約2週間、一時中止や工期延期を認めた。受注者からの措置申し出件数は、施工現場を抱える“工事畑”、設計や測量の“業務畑”の間で鮮明な差が生じた。

準大手ゼネコンの前田建設がグループ傘下で道路業界2位の前田道路に対してTOB(株式公開買い付け)を行っている。これに前田道路は猛反発し、「親子ゲンカ」状態。TOBの期限を3月12日に迎える直前、ラストメッセージとして前田道路の今枝良三社長が吠えた。

#5
リニア中央新幹線を巡る「談合」事件は、大手ゼネコン4社が関わった品川駅と名古屋駅の工事に焦点が当たった。しかし、裁判ではそれ以外の工事にも話題が及び、前田建設工業、安藤ハザマ、熊谷組など他のゼネコンについて続々と証言が飛び出した。

#4
ゼネコン本社のオープンスペースで情報交換し、証拠となるメモや書類は残したまま──。リニア中央新幹線建設工事で入札予定価格を教え合った大手ゼネコン社員たちの手口は、かつて「談合」を担った“プロ”と比べて素人丸出しだった。

#3
リニア中央新幹線建設工事を巡る談合事件で無罪を主張する鹿島と大成建設を中心に、ゼネコン4社はリニア工事入札の過程を裁判で暴露した。それは、発注者であるJR東海が入札参加者に対し、値下げに次ぐ値下げを要求するものだった。

#2
大林組、鹿島、大成建設のゼネコン3社のリニア中央新幹線担当者は、飲食店で酒を酌み交わして親睦を深めながら、工事の発注方式や受注を目指す工事などの情報を交換していた。入札時期が近づくと、彼らの関係は、清水建設も含め入札予定価格を伝達し合うものにエスカレートした。

#1
大手ゼネコン4社が罪に問われたリニア中央新幹線工事の談合事件で、互いの受注希望を調整した“星取表”が重要証拠となった。この表の作成を最初にゼネコンへ指示したのは、なんと談合の被害者、JR東海であることが分かった。

予告編
リニア談合裁判、ゼネコン4社とJR東海の壮絶暴露合戦「全傍聴録」【予告編】
リニア中央新幹線の建設工事を巡る大手ゼネコン4社による入札談合事件で、鹿島と大成建設の独占禁止法違反を問う裁判が大暴露合戦になっている。証言に立ったのは、無罪を主張する鹿島と大成建設、すでに罪を認めた大林組と清水建設、そして発注者であるJR東海。ゼネコン側がこれまで「神様」扱いをしてきたJR東海にかみつくなど法廷はまるで修羅場。特集『リニア談合 暴露裁判』では、2019年2月から始まった裁判33回分の全傍聴を通じて見えた新事実とともに、現代の談合、業界のヒエラルキー構造を3月2日(月)から6日(金)まで全5回でつづる。

#9
博多といえばJR九州。天神といえば西日本鉄道。福岡の大型再開発はこの2社が主役を演じてきた。そんな中、高さ規制を緩和した天神地区の再開発「天神ビッグバン」で地場不動産会社に追い風が吹いた。2強の陰でしこしこと仕込んだ土地が輝きだした。

#5
東京五輪・パラリンピック開催に合わせた建設ラッシュで潤ったゼネコンの戦いは、ポスト五輪のプロジェクトに移っている。大手がこぞって参戦する東京・虎ノ門、赤坂、六本木エリアの推定工事費は総額約1兆円。ここで最も大きい案件を手にしたのが清水建設だ。

ゼネコンの競合2社、鹿島と竹中が異例の技術共同開発をする理由
ゼネコン業界で売上高2位の鹿島と5位の竹中工務店が技術開発で連携する。ロボット施工やIoT(モノのインターネット)化など、建設業が他業界に後れをとるデジタル戦略において、これまで個社ごとに研究していた開発の無駄を省き、開発のスピードをアップさせる狙いがある。

#3
新宿駅は大改造によってすっかり生まれ変わる。主導するのはJR東日本、小田急電鉄、京王電鉄などの鉄道会社だ。特集「不動産・開発 危うい狂乱」(全13回)の#3は、東京都庁を超える超高層駅ビルも建つ新たな新宿の完成予想ビジュアルを描いた。
