ふるまいよしこ
オミクロン株の流行により、日本の約24倍ものスピードで感染者が増え続けている香港。公立病院のベッドはすでに完全にパンク、医療従事者たちは日々ギリギリの対応を迫られている。そんな状況下、香港政府のコロナ対策は遅れ、有効な手を打てずにいる。しかし2月16日、習近平国家主席の鶴の一声で、事態が転がるように動き始めた。

2月1日は春節、いわゆる旧正月。中国・中華圏ではもっとも重要な祝祭日であり、遠く離れた故郷へ大移動が起きるのがこの時期だ。皆が故郷や家族を思うこの時期に、家族を求めたある少年のニュースが人々の耳目を集めた。

2021年12月、香港では立法会議会選挙が行われ、そしてオミクロン株の市中感染が広がり始めた。中国政府の香港への締め付けが年々強くなる中で香港市民は政治に無関心になっているが、そんな中でも騒ぎが起きた。感染が広がり、政府が対策におおわらわになっている中、大規模パーティーに複数の政府高官が参加していたことがわかったのだ。

ラスベガス以上の収益を誇る世界一のカジノシティー・マカオで、「新カジノ王」こと太陽城集団のCEOが突然逮捕された。マカオの全カジノの約半分を傘下に収めているといわれる実力者。捕まえたのはマカオ警察だが、黒幕は中国政府ではないかということで、カジノ業界に激震が走っている。

中国政府の意向を受け、今年から大きく制度が変わった香港の選挙制度。この12月、新制度で初めての立法会議員選挙が行われた。香港の政界は大きく親中派VS.民主派に分かれるが、親中派が民主派の候補を擁立する、選挙期間中ある言葉が禁止ワードになるなど、数々の“有り得ない”出来事が勃発することに……。香港史上最低の投票率となった選挙期間中に起こった、摩訶不思議な事態のアレコレを紹介する。

この秋立て続けに、香港の有名スイーツ店「許留山」の閉店と、中国発の高級火鍋チェーン「海底撈火鍋」の大量閉店があり、話題になった。閉店を嘆くニュースやSNSへの投稿が飛び交ったが、同じ“閉店”ではあっても、実はこの両者はずいぶんと事情が異なる。特に海底撈火鍋トップの判断は、低価格化や人材不足に悩む日本の飲食店から見て、大いに参考になるかもしれないものだ。

第1回
10月頃から、中国の各地で再び、新型コロナウイルス感染者関連の話題が絶えず流れ始めた。中国では、中央政府も地方都市でも、かなり“荒っぽい”感染対応策が普通に行われる。SNSや現地メディア記事から、気になる動きをまとめてみた。

イギリスから返還された際、中国国内とは異なる制度の下、香港人による自治が認められていたはずの香港。しかし、この「一国二制度」が事実上消滅したといえる出来事が起きた。中国政府は1989年に起きた天安門事件をタブーとしているが、香港では事件後毎年、天安門事件の追悼集会が行われていた。その集会を主催する団体が当局の恫喝を受けて9月25日に解散を決定、香港で30年続いた追悼集会がついに封じ込められたのである。

公務員が続々と辞職している香港。さらに7月中旬、わずか10日ほどの間に区議会議員200人以上が辞職するという事態が起きた。辞職しているのは、香港の自治と市民の自由を求める民主派の議員たちだ。香港でいま何が起きているのか。

今年3月、中国の全人代常務委員会が「愛国者による香港統治」決定案を全会一致で承認したことを受けて、この秋から香港では新制度に基づく選挙が行われる。もともと複雑な香港の選挙制度がますます複雑になる見込みだが、この変更に隠された香港政府の意図とは何か。

2019年に香港で大規模な抗議活動が起きてから2年がたった。デモがニュースになることはなくなったが、香港の“中国化”は今も静かに進んでいる。中国政府は香港の統制を進めており、香港独自の自由は徐々に失われつつある。6月24日、香港の大衆紙「アップル・デイリー」が最終号を発行し、その歴史に幕を閉じた。(フリーランスライター ふるまいよしこ)

2019年、香港で市民vs警察が対立し、激しいデモが起きた様子は世界中に衝撃を与えた。あれから2年、“中国化”が静かに進む香港では、かつての宗主国・英国が手を差し伸べたことにより移民ブームが起こり、さらに過去最大人数の公務員が辞職し、香港を離れているという。香港で今、何が起こっているのか。
