『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』より

哲学書とは一言でいって「変わり者が生涯をかけて追求した“独特なひらめき”が載っている本」とも言える。ニーチェ、ルソー、サルトル、など一度は名前を聞いたことがある哲学者の中にも変わり者は多く存在した。哲学者の中にはアカデミックな世界でのエリートと、社会不適合な変人が混在しているのだ。日本人に一番馴染み深いであろう“ニーチェ”も天才と変人の紙一重であった。そんなニーチェは「好きな人にはモテない」という西野カナの歌詞にありそうな悩みを抱えていたのだ。

「俺を満足させるには三人の女が必要だ」と豪語しつづけたニーチェ

 ニーチェは「俺を満足させるには三人の女が必要だ」とか「女に会いに行くなら、鞭を忘れるな」など百戦錬磨のプレイボーイのような言葉を残しながらも、生涯モテなかったといわれている。

 またニーチェが晩年、発狂した理由として売春宿で梅毒にかかったことが原因ではないか!?という説もある。

 女性経験がなかったわけではないが、サルトルのように自分に言い寄ってきた女性たちと「偶然の関係(浮気)」を楽しむようなプレイボーイではなかったとされている。

同棲するにも、関係を拒まれつづけたニーチェ

 そんなニーチェは、知的な女性が好きだったようで、心底惚れ込んでいた女性が2人存在する。

 一人は女流作家の「ルー・ザロメ」もう一人は親友・ワーグナーの妻「コージマ」である。

 しかしこの2人共にニーチェはフラれている。

 ルー・ザロメに至っては、ニーチェ・ザロメ・共通の友人、の三人で同棲までしていたのに、「あなたの才能は素晴らしいけど、男性としてはちょっと…」というようなニュアンスで男女の関係になることを拒まれ続けていたのだ。

 なかなか辛い言葉を浴びせられていたようだ。