『インベスターZ』をはじめ、『エンゼルバンク』や『砂の栄冠』など「お金」という要素が大きく絡んでくるマンガを多く手がけている三田紀房氏。三田氏は「お金」についてどう考えているのか?

前回は「9時5時でラクしたかった」「儲けるためにマンガを選んだ」など、シンプルで正直な言葉が次々に飛び出した。今回も、お金を儲けることについての価値観がガラリと変わる言葉が飛び出す。お金に関する異色インタビュー第2回をお届けしよう。

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聞き手・編集:竹村俊介(ダイヤモンド社)、写真:宇佐見利明

お金儲けはこっそりやればいい

三田 マジメな人は「お金のことを考えよう」ってわざわざ言うけれども、別にそんなこと、声を大にして言う必要もないわけですよ。こっそりやればいいんです。居酒屋でみんなで飲むときは「金なんて汚いよね」って言いながら、家帰ったらこっそり「今日の株価はいくらかな……」みたいな。

 やっぱり、建前と本音はあるわけで。外では建前言って、いい人ぶっていればいいんです。そうやってちゃんと2面を使い分ければ、別に自分の良心も痛まないし、「俺はこういう人間だ」って開き直ればいいんじゃないですか。

――「お金儲けて何が悪い!」って本音で思ってても、それを言うだけで批判されますもんね(笑)。

三田 なにもわざわざそんなことで人間関係に波風立てる必要はないわけですよ。「金儲けなんて、なんか卑しいよね」って言っておけばいいんですよ、外出たら。

――明快ですね(笑)。確かに、言わなきゃいいんですよね。

三田 そうですよ。

――三田さん以前、声優になりたい女の子から人生相談されてましたよね?「本当は声優になりたいんだけど、それをまわりに言うと反対されるんじゃないか。『お前なんかなれるわけない』って言われるんじゃないかというのが不安で『声優になりたい』って言えません」という相談だった。それに対して「言わなきゃいいじゃん」って答えていて……。

三田 そう。黙ってりゃいいんですよ(笑)。こっそりやればいいんです。「目標は公言しなさい」って言われたからって、マジメに「声優です」なんて言うと、みんなからワーッと言われるわけですよね。

――大人は「夢は何?」って聞きますからね。

三田 聞かれてもテキトーなこと言ってりゃいいんで。

――「夢は何ですか?」って聞かれたら、子どもの頃はなんて答えてたんですか?

三田 テキトーなこと言ってました。

――マンガ家ではなかったんですね。

三田 「夢について作文を書け」とかってあるじゃない?

――あります、あります。

三田 でも、別にいいんですよ。そんな大してね、先生は関心ないんです。「はいはいはい」って言って。40人も見なきゃならないわけだから。ぼくは「先生、見てねぇよな」と思って、テキトーなこと書いてたんです。でも、文章はうまいんだよね。だから、意外といい点もらえた。中身はどうでもいいんですよ。先生なんて構成しか見ないから。

――なるほど。そこまでわかった上で、書いてたんですね。