「リピート法」と「サプライズ法」は
初心者でもすぐ真似できる伝え方

原田まりる(はらだ・まりる)作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター 1985年 京都府生まれ。哲学の道の側で育ち高校生時、哲学書に出会い感銘を受ける。京都女子大学中退。著書に、「私の体を鞭打つ言葉」(サンマーク出版)がある

原田 私の実家は不動産業を営んでいるんですが、Webサイトで物件を紹介するときに、『伝え方が9割』を参考にしているみたいです。

佐々木 そうなんですか!どんな紹介文ですか?

原田 例えば…「哲学の道の隠れ家」とか、「モダンな古民家」みたいな。『伝え方が9割(2)』で紹介されていた「強いコトバ」を作る技術の中の、ギャップ法ですね。町家の販売を多く手掛けているので、町家から感じる「古さ」とは反対にある言葉を付けたりして。

佐々木 いいですね。ぜひどんどん使っていただきたい。そういえば、原田さんの本の中にも、ギャップ法がたくさん散りばめられていると感じました。哲学者たちの言葉は、ギャップでできているものが多いんですよね。

原田 キルケゴールの「人生は後ろを向くことでしか理解できないが、前にしか進めない」なんてまさにそうですよね。

佐々木 もちろん、哲学者たちはギャップ法なんて意識しないで書いているんでしょうけれど、だからこそ、心に残る。

原田 私、一番難しいと感じるのが「リピート法」なんです。