例えば、ローカルモータスの車体デザインは、オープンソースのアイデアによって決められている。自社お抱えのデザイナーがデザインを決めていく大手メーカーの従来方式とは異なり、エンジニア、デザイナー、消費者、車マニアたちがチームを組み、アイデアを協議する。時には、フリーランスのデザイナーらのコンテストを通じてデザイン案を募集することもある。

 デザインが採用されたコンテスト優勝者には、車が1台売れるごとに利益が直接還元される仕組みだ。

祖父の遺志を引き継ぎ
自動運転の革命を目指す中小企業社長

 オリーの内装や外装には3D印刷技術が使われ、乗客は配車サービスのウーバーを呼ぶのと同じような方法で、スマホのアプリで自分が乗車したい場所を自由に選べる。例えば、乗客が「この近くでおススメのレストランは?」と車体に話しかけるとしよう。すると、IBMのワトソンが「魚料理ならここがおススメ」というように、具体的なレストランを提示する機能もついている。

 時速5~25マイル(キロ換算で時速8~40キロ)の速度で、12人まで一度に乗車が可能である。現在はワシントンDCの一部の道路やラスベガスで試運転されている。

 ロジャースの祖父は、伝説的な二輪車メーカー「インディアン・モーターサイクル」のオーナーだった。 

 ロジャースは、「祖父が二輪車製造にチャレンジして苦労し、失敗したのを知っているから、最初はこの業界に入る気はなかった。でも、全ての人が安心して使える交通手段が必須だった。米国にはその解決策がないのに、一部の金持ちたちが、次はどのテスラを買えばいいのかという議論をしているのを見て、歯がゆくて、何かしなければいけないと思い、この世界に飛び込んだ」と当時を振り返る。

(上)高速道路も走れる3輪車 の「Elio」、(下)意外と広いElioの運転席。パワーウィンドウも完備

 LA自動車ショーの入口近くを見ると、ちょっと異色な3輪車が展示されていた。「通勤に使える新車を8000ドル(1ドル=118円換算で約94万円)以下で提供する」というのが、謳い文句の三輪車「Elio」(エリオ)だ。

 エリオモータースというアリゾナ州のスタートアップ企業が開発した3シリンダーのエンジンの燃費は、1ガロン(約3.8リットル)のガソリンにつき84マイル(約135キロ)と抜群にいい。

 車体の前に2つのタイヤ、後ろには大きなタイヤが1つついている。3輪車だが、法規上は二輪バイクの扱いだ。車内には複数のエアバッグがついていて、クラッシュテストも合格している。渋滞する高速道路でも、比較的空いているカープールレーン(通常車線とは分けられた 特別な車線のこと)を走れるのが通勤者には嬉しい。

 価格は1台7300ドル(約86万円)。現時点ですでに6万4000件の注文が殺到している。生産はルイジアナ州のGMの古い工場を改装して再利用する予定だ。唯一の難点は資金繰り面であり、あいにく1台も納入できていない。かつてのテスラのように、多額の負債を抱えつつ株式上場し、資金調達に奔走しているところだ。