退職者を減らすには「声をかけ合う」

私がエリアマネージャーだった時、セールやゴールデンウィークの後を恐れていました。
なぜならその時期、店長から「スタッフの◯◯が辞めたいと言っています」という報告が増えるからです。
繁忙期は商品の数も、お客様の数も増え、やることが膨大になります。
今までスタッフが抱えてきた何かしらの不満が爆発しやすい時期です。

「辞めたい人が出るのはどうにもできない」とお思いでしょうか?
実はこれも、ある簡単なことで防げます。
それは、どんなに忙しいときでも「声をかける」こと。
こんなことで、仕事へのモチベーション、職場への愛情は大きく変わってきます。

不満が起こらない仕事はありません。
しかし、やる気が起きない仕事というのもありません。
「私は、これが得意だ」
「この仕事にやりがいを感じた」
など、心から湧き上がる気持ちがあれば、仕事は続けられます。

そして、やる気のために必要なのは、周りから頼りにされたり感謝されたりといった、誰かに認めてもらうというアクションです。
仕事が忙しくなると、つい人はお互いを励ましたり、ねぎらいの言葉をかけたり、感謝の言葉を述べることがなくなりがちです。
すると、辛いことや理不尽なことに何とか耐えていた気持ちが、ぷつりと途切れてしまうことがあります。
ショップ内にお互いを認め合うつながりがないと、孤独に自分のつらさや不満を反芻してしまい、退社の結論を出してしまうのです。

だから、どんなに忙しくても、誰かへのひとことをなおざりにしてはいけません。忙しい時でも
「品出し、早くできるようになったね」
「倉庫整理ありがとう!」
といった
「いつでもあなたの仕事を見ているよ」
という気持ちを伝えることが、モチベーションを保つことになるのです。
これらの仕事は店長の仕事と思っている人もいるでしょう。
お店の雰囲気を気持ちよくするのには、全員の声がけが欠かせません。
あなたが、先輩や後輩にも、どんどん声をかけていくことで、自分にもいい環境が返ってきます。
お互いを認めあうことは、誰しも仕事の原動力になります。

忙しいときほど、お互い声を掛け合いましょう。
忙しいつらい時期を乗り切ることができれば、より強い繋がりで店の売上を良くしていけるはずです。