その販売員が接客につくと、いつの間にかお客様が多くのものを買っており、しかもそのお客様もいい買い物をしたという大変な満足を感じているという「カリスマ販売員」がいますね。
一体その販売員は、どういう接客をしているのでしょうか。
4月13日にダイヤモンド社から発売される『売れる販売員は似合わないものを絶対に売らない』から、その秘密に迫っていきます。
教えてくれるのは、多くの販売員を店長に昇格させてきた、接客アドバイザーの桐山知佳さんです。

第3回の今日は、「売れる販売員が必ずやっている行動」をお伝えします。

商品を丁寧に扱うということは、行動で商品の良さをアピールしているということ

「商品を丁寧に扱うのはなぜか」といえば、もちろん商品に傷や汚れをつけないように、です。
しかしこれはいちばんの理由ではありません。
実は、商品の扱い方に、お客様はその販売員の「本音」を見てしまいます。

Tシャツが1枚1000円程度の、低単価なアパレルショップにいた時の話です。
商品が安いので、お店の在庫が非常に多く、いつの間にかスタッフ全員が商品を雑に扱っていました。
ある時スタッフが、接客中に置き場所がなく商品同士を積み上げてスペースを作りました。どさどさと、乱雑に商品を寄せています。
これでは、いくら口先で
「安くても、うちの商品は良い商品です」
と言っても、信憑性を欠いた接客になってしまいます。
本当に大切だと思ったり、良い商品だと思うなら、自然と扱いも丁寧になるはずで、お客様もそのことを敏感に感じ取ります。
反対に、100円均一ショップに行ったときのことです。S字フックの場所を聞いた時に、お店のスタッフは近くまで案内してくれ、最後に丁寧に両手で差し出し
「こちらがお探しの商品です」
と渡してくれました。
丁寧に商品を扱う姿に
「安い商品でも、大事に扱っているのだな」
と価値を感じたことを覚えています。

どんなに安くても、これから自分が買う商品を丁寧に渡されたら悪い気はしません。

ユニクロや無印良品で、低単価な商品をズレなくきれいに畳んで配置しているのは、
「安くても上質」
「安くても丁寧に扱っています」
ということを陳列でアピールするためです。
丁寧に扱い、行動で商品に付加価値をつけていきましょう。