予想に反して、好意的な反響をいただいている本連載「新人編集者ムラタの☓☓日記」。前回と異なり、本当の日記形式となるため、今回が「真の第1回」と言ってもいいかもしれません。さて、彼はこの一週間でどれだけの成長を見せてくれたのでしょうか。
5月30日(月)
~牽制→企画会議~
編集部Cの適当な依頼を形にするべく、本当に日記スタイルで書くことになってしまいました。
「日記書いたら夕飯を奢るよ」という約束は何処へ。まだ日程調整の連絡すらいただいていませんよ、とあえて公の場で牽制しておきます。
さて、毎週月曜日は第2編集部内の編集会議があり、ここでは編集者が温めている企画案についてディスカッションが行われます。
ダイヤモンド社のルールとして、各編集部の編集会議を通過した企画は、全編集と副編集長、そして営業部員が参加する毎週水曜日の会議にかけられ、これら2つの関門を通過した企画のみが発行に至ります。
編集会議に企画を提出した編集者にとっては、この場を通過しなければ何も始まらないとあり、毎回熱のこもったプレゼンを展開。
会議といっても明るく自由な雰囲気ですが、弁の立つメンバーが揃っているため、笑顔で厳しい意見が突きつけられることもしばしば。編集長、副編集長の企画であっても、少しでも改善余地があるものは会議を通過しません。
「ムラタ君の企画が通過して本ができたら、この日記終了していいよ」
編集部Cのこの言葉をモチベーションに、私も企画会議という戦場に参戦するタイミングをうかがっている次第。
百歩譲って飲み会の件はなかったことにしますから、この約束だけは忘れないで欲しいものです。
5月31日(火)
~資料探し→シンポジウム~
今日は、朝出社してメールを処理したのち、来週予定している打ち合わせ下準備のために資料を買いに書店へ。科学をビジネスに応用して成果を挙げている非常に面白い方で、なんとか形にしたいと画策中です。
大学まで文系一筋の私にとって、理系の方とお話する機会はとても刺激があります。全く勉強してこなかった未知の世界を知るのは、予想以上に苦になりません。「本を読むのも仕事」という感覚にはまだ慣れていませんが、仕事とは思わずに楽しみながら取り組みたいと思います。
と、この位アピールしておけば、日中の喫茶店で本を読んでいる姿が見つかったとしても「サボってる」と思われないだろう、なんていうよこしまな気持ちは全くありません。
この日の夕方からは、シンポジウム「東日本大震災にみる諸問題を考える」を聴講しに東洋大学へ。
東京で生活していると、余震も少なくなり、震災から立ち直ったように錯覚してしまいますが、現地ではまだまだ厳しい状況が続いているということをあらためて考えさせられました。