「マルチタスク」は
社員のためにある
1社に担当を2人置くと、人件費が2倍になります。
得られる利益が同じなら、人が増えた分、赤字になります。
そうならないように、ダブルアサインメントと同時に導入したのが、「マルチタスク」です。ひとりの社員が、複数の仕事(取引先)を受け持ちます。
営業職で最も多くマルチタスク化している社員は、「5社」程度担当しています。
複数のメーカーの製品やアプリケーション、市場についての知識を持つことは簡単ではありません。
たとえば、当社の扱うドイツ製品と米国製品では、技術も市場もまったく異なります。品目が違えば、それぞれゼロからの勉強が必要です。
この仕組みには、社員本人の成長意欲や「他人のために働く」という献身性が大切なので、その姿勢を評価項目の中に組み入れています。
マルチタスク化は、新しい分野の勉強をしなければならないため、社員にとっては苦労をともないます。
しかし、結果的に自分の売上実績が伸びれば、賞与に反映されます。
また、1社しか担当していないと、その1社が倒産したり、当社との取引を切られたら、自分の仕事がなくなってしまいます。
つまり、マルチタスクは、社員のジョブセキュリティ(自分の仕事の確保)にもなっているわけです。