新刊『効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法』は、東大を独学で現役合格し、年間50以上、累計500超の資格を取得してわかった超合理的な方法を網羅しています。「時間をかけずに短期集中で勉強し、しっかり結果を出せる」――それが、「7日間勉強法」。どんな勉強にも応用できる、この短期集中のサイクルを一部抜粋して紹介していきます。
得意分野よりも苦手分野を強化するほうがいい
「自分には難しすぎる、習得に時間がかかりすぎるところは捨てる」とお話ししました。これは、ただ単に「苦手だ」とか「やる気が起きない」という分野のことではありません。苦手分野こそ、むしろ捨てないほうがいいのです。
何枚かの長さの異なる板を貼り合わせてつくった桶に溜めることのできる水の量は、最も長さの短い板によって決まるものです。長い板の長さをどんなに伸ばしても、溜められる水の量は変わらないですよね。
これは、勉強に置き換えれば、「得意分野よりも苦手分野を強化するほうがいい」ということになります。水の量、つまり得点を多くするためには、長い板(得意分野)をさらに伸ばすよりも、短い板(苦手分野)を長くするべきなのです。
「合格ラインと今の実力とのギャップを埋める」ことが、合格への一歩です。
すでに80点取れているところを90点や100点に伸ばすのは難しいことですし、どんなに頑張っても伸ばせるのは20点までです。それに対して、現状40点しか取れていないところを70点に伸ばせれば、30点もプラスになります。苦手分野を強化したほうが、ギャップを埋められるのです。
また、自分が苦手なところというのは、たいていほかの人も苦手としていることが多いので、ほかの人の逆をいくことで、差をつけることができます。反対に、自分が得意としている分野は、ほかの人も得意としている可能性が高いので、そこを伸ばしても差をつけることができません。
概して苦手分野は、ただ「食わず嫌い」なだけで、やってみると意外に簡単に伸ばせることもあります。
私は、もともと理系のため国語が苦手だったのですが、大学受験の際、序章でお話ししたように工夫して勉強したところ、学年トップの成績をとることができました。東大模試でも、国語で成績上位者一覧に名前が載ったこともあるくらいです。この経験をもとに、資格試験を受けるときにも、苦手分野は捨てないようにしています。
苦手分野こそ敬遠せずに、思い切って取り組んでみることをおすすめします。