ルール3
「席順」への配慮を忘れない
年上部下よりも上座に座るのは、居心地が悪いものです。そうはいっても、歓送迎会や忘年会など、組織としての公式イベントといえる飲み会のときは、いくら年下上司といえども、組織の序列にしたがって上座に座らなければなりません。左遷、降格されて不本意ながら年上部下となった人や、役職定年や再雇用で年上部下となった人なども、心中は複雑ながらも納得ずみでしょう。
そのぶん、年下上司のほうからお酌をしたり、プライベートな飲み会では年功序列で年上部下に上座に座ってもらうなどしたりして、バランスをとる配慮も必要です。
一方で、女性の年上部下たちはどうでしょうか。彼女たちは席順に敏感です。年齢や社歴だけでなく、総合職か一般職か、正社員か派遣社員かといった立場の違いで、女性社員の間には見えない溝があるものです。
たとえば、失言ひとつで職を失う危機感をもっている派遣社員はくつろいだ気持ちで飲み会に参加するのはむずかしいですし、社歴が長い一般職の女性は下座に追いやられて上司と直接話す機会もなく、疎外感をもってしまうかもしれません。
そこで、女性の年上部下にも配慮して自ら話しかけるのはもちろん、ときにはくじ引きで席順を決める、上司自ら席を自在に動いて公平に話しかけるなどして、同じ顔ぶれで塊がちな女性の年上部下とも積極的にコミュニケーションを図りましょう。
女性はこうした気配りを高く評価しますし、女性社員、特に女性の年上部下を味方にすることで、仕事がやりやすくなることも少なくないはずです。
5回に渡る集中連載、今回が最終回です。5日間、おつきあいいただきありがとうございました。みなさまの「上司力」向上に少しでも寄与できることを願って、この連載を終了したいと思います。
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