「隠れ業務」をあぶりだす
問題を引き起こすのは、つい忘れがちな仕事
業務一覧ができたら、チームメンバー全員で眺めてみましょう。たいてい、メンバーから次々にこんなコメントが出てきます。
「え、私たちの業務ってこれだけだっけ?」
「いやいや、他にももっとあるでしょ!」
「実は、この一覧にはあがっていないけれど、僕はこんな仕事もしていて……」
この違和感が大事! 業務一覧を作る最大の狙いは、この違和感を引き出して「隠れ業務」を洗い出すことにあります。
・地味で目立たない業務
・季節業務
・レア業務
・属人化した業務
このような業務は忘れられがち。忘れられがちな、「隠れ業務」に気づく。認識する。業務一覧を作って、全員で眺めてみる意味はそこにあります。
この手の「隠れ業務」は、後々問題を引き起こすことがあります。4年に1回しか発生しない業務、誰にも存在を知られないまま、その業務をやっていた人が辞めてしまった。あるいは、組織変更により2つに分かれた、いずれの部署にもその業務が引き継がれなかった(業務の存在自体が知られていないため)。実は重要業務なのに、誰にも気づかれず、誰にも引き取られない。そして、後で問題が起こってからあたふたする。
迷子の業務を生まないためにも、「隠れ業務」をあぶり出し、業務一覧に追記しておきましょう。
なお、具体的な「業務一覧」の作り方については、新刊『チームの生産性をあげる。』で詳しく解説しています。残業が業態化しているチームや個人の仕事を洗い出し、生産性をあげるヒントが満載の1冊です。現場の部課長、チームリーダー、プレイングマネージャーから、経営企画部門、人事部門、広報部門、総務部門の担当者まで、どんな業種・職場でも役立つ、「働き方改革」実践書の決定版です。ご興味があれば、ぜひ書籍をお買い求めください。
(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)