自分だけは「認知症」になりたくない、あるいは自分の家族だけにはなって欲しくないと思う方は多いのではないでしょうか。しかし、認知症はそんな特別なものではありません。

 団塊世代が65歳を超える2012~15年頃までには高齢者人口は3000万人を突破すると見られています。そして、認知症の高齢者は新たな治療法が見つからなければ20~25年に300万人を突破するという予測があります。じつは「すでに高齢者の1割以上が認知症ではないか」と推測する専門家もいます。

 40代で認知症になった藤田和子さんは「認知症への偏見が早期発見を妨げている。認知症になった人の生活を邪魔している」と憤っています。認知症になったことを認めたくない本人や家族が、たとえ異変に気づいても医療機関を受診することを避けたり、認知症になったら何もわからず何もできなくなるという思い込みで、認知症の人の心を踏みにじるからです。

 認知症を正しく理解すること、認知症の人の心を理解すること。これが在宅介護においてのカギとなります。

 8月13・20日合併号の『週刊ダイヤモンド』は、「自宅で看る介護」を特集しました。体が不自由になったり、認知症になった家族を在宅で介護する際の様々な悩みや疑問の解消につなげるために、在宅介護の現場を取材し、介護を受ける本人、家族、プロの経験に基づく知恵を凝縮しています。

 全56ページは「最新事情」「在宅」「認知症」「施設・住宅」の4つのパートで構成。最新事情のパートでは2012年度に改正される介護保険法の仕組みを詳細に解説しています。改正後は24時間、地元で介護するための新サービスが登場します。今の在宅介護に限界を感じている方は、ぜひ制度を上手に利用してください。

 続く各パートでは、「よいケアマネージャーと悪いケアマネージャーの見分け方」「介護うつの危険度」「認知症になっているかの判定」「高齢者住宅・施設の選び方」などのチェックリストを掲載し、具体的な解決方法へと導きます。プロから学ぶ介助の技は連続写真で詳細に紹介し、ダイヤモンド・オンラインで動画も配信中です。

 高齢者の7割は、身体の機能が低下しても自宅で生活することを望んでいます。より多くの高齢者が自宅で快適に生活を送れるように、介護する家族たちが負担を抱え込まないように。本特集がその一助となることを願っています。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 臼井真粧美)