さらに餃子の王将では、メニューはそれぞれの店舗の立地や地域のニーズに応じて店独自のメニューを提供しています。外食チェーンでありながら、個々の店舗の独自性を高め、競争力を磨いています。
一蘭と餃子の王将の違いは、ドメイン戦略の違い
同じ外食チェーンで比較的ジャンルの近い中華料理とラーメンを提供している2社ですが、その店舗とメニューには大きな差があります。しかもどちらも消費者から支持され、外食産業で存在感を増しています。この2社の共通点と違いは何なのでしょうか。
この疑問を解くカギは「ドメイン」の考え方です。
ドメインとは、企業が事業を行う場合にどんな範囲で活動していくかを示すものであり、日本語では「事業領域、生存領域、事業範囲」などと訳されています。
ドメインの考え方は1980年に経営学者D.F.エーベルによって提唱されました。エーベルによると、事業の範囲を決める要素は3つあり、それは「顧客・機能・技術」です。この3つの要素を決めることで、その企業のドメイン=事業範囲が決まります。
ドメインの3つの要素の考え方は次のとおりです。
・顧客⇒誰に(ターゲット顧客)
・機能⇒何を(顧客ニーズ)
・技術⇒どのように(どうやって実現するのか)