ところで、「長い階段をダッシュで駆け上がると、息切れする」という因果関係は、皆さんの実体験から真実だと感じられると思います。

 しかし、「息切れすると、ダッシュをやめたくなる」という因果関係は、誰にでも当てはまるとは限りません。精神的に強い人、自分を追い込むのが得意な人がいるかもしれないからです。

 そんなときも、「なぜ彼はダッシュをやめたくなったのか?」の説明があれば、「そういう事情があるのか」と納得できるでしょう。

 そのような「理由」の説明は、別の箱に書きます。たとえば、「彼には苦しい思いをして走り込むだけの大きな目標がない」と〈理由の箱〉に書き入れます。

 そして、図表2のように、〈原因の箱〉と〈理由の箱〉のそれぞれから〈結果の箱〉に向けて矢印を引き、2つの矢印を曲がった棒のような図形でつなぎます。このつなぎに使う記号は、その形状から〈バナナ〉と呼んでいます。

〈バナナ〉が付いたブランチは、「なぜならば」という言葉を補って読みます。「もし〈原因の箱〉ならば、結果として〈結果の箱〉。なぜならば〈理由の箱〉だから」となります。

「もし、彼は息切れするならば、結果として、彼はダッシュをやめたくなる。なぜならば、彼には苦しい思いをして走り込むだけの大きな目標がないから」

 このように、必要に応じて〈理由の箱〉を付け加え、読んだときにしっくり来るように修正していきます。