さて、この先の日本の社会や経済がどうなるかは、こちらの拙ブログを読んでもらうとして、世界の他の国々と比べて日本は恵まれているのに不幸を感じるのはなぜだろうか?

 それを知るためには、まずは、幸福とは何か? その本質を紐解かなければならない。

目的や利便の「追求」より
「引き算」が主流に

 昨今、断捨離をはじめとして、最近は「引き算」が流行している。

 これ以上経済が膨張する可能性がないこの国においては、足して幸福になるよりも、足るを知ることで幸福を目指すほうが合理的だ、と皆気づき始めている。

 ビジネス書の売れ筋をみても、これまでは勝間和代さんの『年収10倍アップ勉強法』を筆頭に、スキルアップ(能力開発)系が売れていたが、昨今は、ちきりんさんの『ゆるく考えよう』などといった、自然体で、無理しないで生きることを志向する内容がベストセラーになっている。

 勝間さんは、自立のスキルや能力を磨くことを訴え、ちきりんさんは、早めに諦めよと唱える。幸福への道という目的は同じだ。

 同様の変化が、生活面でも見られる。

 同じグルメサイトのなかで、レストラン評価の「食べログ」よりレシピサイトの「クックパッド」の人気が高くなっている。外でお金を使わないで、家でおいしいものを作ることで幸せになる道を模索している結果だろう。