“生き抜く”子を育てるカギが、3歳までの親の働きかけにある
カヨ子 私も同じです。
この大震災でもう一つ思ったんは、やっぱり子どもにはどんな状況でも“生き抜く”力を身につけさせたい、ということ。ギリギリの状況でも、なんとか知恵をしぼって生き抜いてほしい。そんな状況では、いくら受験のための知識があっても役に立ちません。
そういうことではなくて、まわりの状況を見て、どう行動すればいいのかを瞬時に判断できる、そういう本当の頭のよさを身につけてほしいのです。そういう子が真の意味で、“賢い子”といえるんです。その“生き抜く”力を身につけた子どもを育てるためのカギが、3歳までの親の働きかけにある、と言いたいんです。
A 3歳まで…ですか。そうなると、読者の中には、もう子どもが3歳以上という方もいると思うんです。すでに遅いということになりますでしょうか。
カヨ子 「遅い!」って言いたいところやけど、いまからでもできることはあります。目先のテストや知識の詰め込みだけでなく、“生き抜く”力を養うために何が必要か、その年齢に応じた子どものために何を考えればいいのか。子どもへの親の愛情は尊いもんです。その愛情を正しく使えば、まだまだやれることはあるはずです。
ただし、脳が非常に発達する3歳までに、いろいろな“働きかけ”をしといたほうが、その後の子育てがラクになります。もっと言えば、生まれながらに備わっている“反射”を利用した“働きかけ”ができる0歳のときから、ポイントを押さえた“働きかけ”をしておいたほうがいいのです。その方法は、これまでの私ら(久保田競と)の著書を見ていただければおわかりになると思います。
今回の本では“育児のノウハウ”というより、私らの育児法(クボタメソッド)についての考え方とか理念をわかりやすくお伝えしたいと思いました。
つまり“育児のノウハウ”ではないので、3歳以上のお子さんをお持ちの親御さんにも、この本を読んでいただければ“生き抜く”力をどのようにして育てたらいいのか、そのエッセンスはご理解いただけると思ってます。
A “生き抜く”力ですか。心に響く言葉ですね。