未来の自分を絵本の読み手にしてくれる日常記録
東京都のグラフィックデザイナーである青木三和子さん(@miwacopter)は、自画像の多作や絵日記や、スクラップブックなどの日常記録を趣味とされています。主に、ポケットサイズのスケッチブックを愛用し、郵便局の風景印を配した絵日記・ドローイング帳として使用しています。デイリー・ダイアリーは、持っている服のローテーションの記録や、食べたものなども記入する用途として使用しています。
彼女がモレスキンノートを使い出したのはflickrという画像共有サイトに参加するようになってからです。「世界の人達はどんな絵日記を書いているんだろう」と検索していたところ、黒い表紙の手帳の画像がたくさんヒットしました。
検索を続けるうち、これはその名を冠したファンサイトmoleskinerieをはじめ、ファンによるグループがいくつも存在するモレスキンノートという手帳だと知りました。
長らくやっていなかったフィルム現像をしたら薬品を注ぐ順番を間違えた! ということや、Holgaは面白いけど思い通りにならないカメラだ! という写真についての気持ちを書いています。
自宅で仕事をする為の機材を気に入っているということや、友人達とお花見へ行ったこと、携帯メールを打っている途中で眠くて寝たことなどが書いてあります。
絵や写真は、自分が「難しいなあ」と思ったとたんに自分から離れていく気がする……という気持ちや、語学学校でミシガンテストという実力テストを受けた時のことなどが書いてあります。左下の重なった四角は同棲中の彼氏が集めているプラモデルの箱で、買っても作らないのでたまっていくという様子です。
三和子さんは「日常をビジュアルで記録したモレスキンノートは、未来の自分を絵本の読み手にしてくれる」と言います。
この感覚は、携帯電話やiPhoneなどを利用するユーザーとして非常に伝わってくる表現だと思いました。例えば、外食などをしたときに、食べ物の写真を撮ることがあると思います。これらのビジュアルで残したデータは、ずっと何年も経って眺めた時、思い出のフィードバックとして作用します。これらは、自分の物語が描かれた絵本であると言えるかもしれません。