事業創造に必要な6要素

 ではまずは事業創造を構成する主要な6つの要素を説明したい。

 まずは事業の核となる「(1)事業構想」、これがなくては始まらない。これが事業の「コンパス(羅針盤)」となり、どのような顧客にサービスを提供するのか、どのような「(2)プロダクト(製品・サービス)」を設計・提供するのかということに直結する。また、プロダクト作成に先立って、「(3)組織(チーム)」作りもおこなわれる。

 プロダクトを提供する顧客の創造も重要だ。すなわち「(4)顧客創造」である。通常、事業創造というとプロダクト(商品・サービス)を思い浮かべてしまうが、これは間違っている。事業創造とは顧客創造を意味する。つまり、顧客に価値を提供することが本質であり、割り切って言えば、そのためにプロダクトがなくてもいいわけである。

 そして、顧客からの売上、オペレーション費用の算出によって、どのように利益が創出されるかを言語化した「(5)利益方程式」が作成される。なお、プロダクト・チーム作りに必要な資金は、「(6)ファイナンス(投資家からの資金調達や、人に借りる)」によって得られる。ファイナンスにあたっては、組織外の人々へコンセプトと利益方程式を説明することが求められる、という関係構造にある。

 以上の6つの分野の関係性は、以下のように図示できる(図1)。この6つの要素は有機的な関係になっており、どれが欠けてもバランスが取れなくなる。だから事業創造のプロフェショナルは常にこの6要素を俯瞰しながら事業を推進していくとよいだろう。

図1 事業創造に必要な6要素とその関係


 この6つの分野毎に押さえるべきポイントが存在しているが、それらは事業フェイズ毎に変化する。6つの分野と事業フェイズで表を作ったのが、次節の事業創造マップである。

 図2をご覧いただきたい。

図2 事業創造マップ
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 横軸には事業創造のプロセスを書いている。事業創造の過程は、「準備期」「立ち上げ期」「プロトタイプ開発期」「市場導入期」「拡大期」「非連続進化期」の6つに分けて考えるとわかりやすい。

 次に縦軸であるが、こちらはそれぞれの時期に、アクションを起こすべき分野を表している。この分野には先ほど述べた事業構想(コンセプト)・プロダクト・顧客・組織(チーム)・利益方程式・ファイナンスの6つ要素が当てはまる。