苦手な上司こそランチに誘え
Shin 若手が抱えるコミュニケーションの悩みの多くが「上司と上手くいかない」ことだと思います。上司との人間関係でうまくいかない人に総じてみられる特徴は何だと思われますか?
曽山 一番は、相手に興味を持っていないことだと思います。人は興味を持ってくれた相手に興味を持つ生き物です。もしうまくいっていないのであれば、「嫌い・苦手」といった感情が先に出て相手にも伝わっているのではないでしょうか?
Shin 無意識に避けていたり……たしかに、そうした行動は相手に伝わっているかもしれませんね。
曽山 もちろん人間なので、そりが合わない人もいるでしょう。ですから、もう少し合理的に考えてもいいかもしれません。「本当に、その上司と良い関係性を築くことが必要なの? 生産性、成果は上がる?」とか。上がらないのであれば、割り切った関係性でいるのもアリです。
Shin 仕事の付き合いとして、割り切って考えるということでしょうか?
曽山 そうですね。そう考えたときに、「やはり上司と良い関係を築いたほうが、仕事の上でも有益だ」と思うのであれば、意図的に上司に興味を持つようにするといいと思います。
Shin 興味を持つきっかけこそ打算的であったとしても、そこからその人の意外性に惹かれることもありますよね。
曽山 そう、好きになるんですよ。趣味趣向、仕事のスタイルなど、知れば知るほど共通項が増えて共感性が高まりますからね。「意図的に興味を持つ」ということがすごく大切だと思います。
Shin 意図的に興味を持ち、上司のことを知るためにはどうすればいいでしょう。
曽山 まずはランチだと思いますね。上司をランチに誘って、1時間でもじっくり話をすれば関係性は随分変わると思いますよ。拙著『強みを活かす』では、部署間の距離を縮めるための「シャッフルランチ」という取り組みを紹介していますが、人との距離を縮めるうえで、ランチを活用することは有効だと思います。
Shin 私も『7つの仕事術』では、「上司をランチに誘おう」ということを書かせていただきました。やはり、「ランチ」は人間関係を改善するには良いきっかけになりそうですね。
曽山 そう思います。
Shin ――そろそろお時間のようです。曽山さん、今回は突然のお願いにもかかわらず、本当にありがとうございました。
曽山 こちらこそ、ありがとうございました。
<おわり>