4つのパターンにあてはめるだけで
利益方程式がつくれる

 用途を説明したところで、いよいよ利益方程式の作成に入ろう。利益方程式は、利益が生まれる時期と規模をシンプルに示す。実は、利益が生まれるパターンは大きく分けて4つしかない。したがって、これから興す事業が「どの時期に」「どの程度の規模で」「どのパターンに当てはまるか」を特定すれば、利益方程式が作成できたことになる

図2 利益方程式一覧
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 一番シンプルなパターンは(1)スポット型である。商品・サービスを1回きりで提供するパターンだ。(2)ストック型は継続的に課金をする。(3)エクイティ型は成果に連動して報酬を受け取る。事業は「スポット」→「ストック」→「エクイティ」の順番で進化させるとよい。

 利益方程式のパターンを変えるだけで、同じサービスでも収益がガラっと変わる。競走馬のエサをつくって販売するビジネスを例にして考えてみよう。提供するエサの価値も商品も変わらないものとする。注文を受けるたびにエサを届けるならば(1)スポット型となる。注文分だけ家畜を育てて出荷する畜産業に近いだろう。あなたがもし起業したばかりであれば、かつての取引先などからご祝儀としてスポットで仕事の依頼が来るかもしれない。しかし、スポット案件だけでは仕事はなかなか安定しない。

 年間契約で一頭あたりいくら、という形でエサを提供し続けるなら収益は安定する。これが(2)ストック型である。電力会社やインターネットサービスプロバイダなどのインフラ企業などがこのパターンだ。ここでさらに、競走馬の成績に応じて報酬としてエサ代を受取るようにすれば、(3)エクイティ型になる。このパターンだと収益は青天井だ。同じ財・サービスを提供するにしても、どのように提供するのかを考えなければならないのである。

図3 利益方程式の遷移
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 利益方程式のパターンにはもう1つ、(4)乗数型というものがある。勘のよい人は最初からこのパターンで考えるだろう。乗数型では、財・サービスを購入する顧客が多ければ多いほど、さらに多くの顧客が購買する。購買行動が加速するのである。

 たとえばFAXを1人で持っていても意味がない。子どものおもちゃにしかならない。FAXは使う人が増えれば増えるほど、価値が指数関数的に増える。これを「ネットワーク外部性」という。

 それぞれのパターンは当然一長一短がある。乗数型が適応できる場合、成功すれば見返りは大きいが、大きな資金を投下しなければならず、ファイナンスが重要になる。

 また、業界ごとにモデルが決まっているわけではない。メーカーはスポット型が多いように思うかもしれないが、コマツのGPSショベルカーのように購入後のメンテナンスコストで利益を上げるモデルもある。これからは家電やロボットの分野でも一回の売り切りではなく、使っているあいだ課金し続けるというストック型が増えるだろう。