英語力と知性は「環境づくり」が9割
一方で、「親である私が英語を話せないんだから、うちの子はムリかな……」などとあきらめている親御さんはいらっしゃいませんか?
だとしたら、それは非常にもったいないことだと思います。
僕が語ろうとしているメソッドは、読者のみなさんの英語力を問いません。
なぜそんなことが可能なのか?
第二言語習得(SLA: Second Language Acquisition)という学術分野で最大公約数的にわかっている原則をベースにしているからです。
SLAの研究者たちが目指しているのは、言語学だけでなく、認知心理学や社会科学など、さまざまなアプローチを通じて、「人間が外国語(=第二言語)を習得するときの一般的メカニズム」を明らかにすることです*。
SLAの原理はいわば、人類に共通する外国語習得の普遍的なメカニズムですから、子どもはもちろん、みなさん自身の英語力を高めるのにも役立ち得ます。
大人だってあきらめる必要はまったくないのです。
さらに、英語塾をやっている僕が言うのもおかしいのですが、特別なスキルも不要です。
みなさんのご家庭でできることばかりですし、お子さんの英語力や知力を大きく左右するのは、むしろ環境づくりであると思っていただいたほうがいいでしょう。
とはいっても、本当に「ちょっとした工夫・きっかけ」でいいのです。
それによって、お子さんの将来は間違いなく大きく変わります。
最後に……大学入試改革がはじまって、授業づくりのヒントを探している中学・高校の先生方はもちろん、小学校での「英語」必修化に戸惑っている教員のみなさんにも、この連載の内容はきっとお役立ていただけると思います。
ぜひ、現役の教育関係者の方々にも、お読みいただけるとうれしいです。
(本原稿は斉藤淳・著『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋して掲載しています)