多数の仏メディアで話題となった全仏ベストセラー!
世界22ヵ国で翻訳された猫に教わる人生指南書の日本語版『猫はためらわずにノンと言う』がこのたび遂に刊行された。
他人の目は気にせず、決して媚びず、欲しいものは欲しいと言い、プレッシャーに屈せず、エレガントで自信に満ち、ひとりでも平気……子猫の時に事故にあい、左前足を失くした猫ジギーが、そんなハンディキャップをものともせず、むしろ「それが何か?」と気にもかけずに振る舞う姿は、常に他人の目を気にして、何かに追い立てられ、せわしく動きまわっている人間たちに、自分らしく生きるために本当に必要なことは何かを伝える本書から、一部抜粋して紹介する。
猫を飼っている人、猫好きな人だけでなく、猫のように、そこにいるだけで自然と一目置かれる存在になりたい人にも役に立つ!
何気なく見ていた猫たちの日常の仕草には、猫だけが知る深い人生哲学が込められていた!明日から、猫を見る目が変わります。
猫は眠りながら、
人生で何より大事なことを教えてくれている
もう一度眠れる機会を作ってくれる人に
感謝しているように見える。
(ミシェル・オーディアール/映画監督、作家)
「寝た猫を起こすな」というフランスのことわざがある。
猫を見ると、たいていいつもひたすら眠っているように見える。
なにも起こすことはない、そっと眠らせておこう。
私たちだって皆、眠ることが好きなはずだ。ちょっとウトウトと眠れば気分もよくなる。
それなのになぜ、「どうしても今、皿を洗って拭いてしまわなければいけない」などと思い込んでしまうのだろう。
眠ることはいいことだ。心にも体にもいい。
ほら、ゆっくりと目を細めていく猫には、それがずっと昔からわかっている。
猫がするように、眠れる時にはさっさと眠りの精の腕に身をまかせてしまえばいい。
何もしないということを考え出した猫は、眠ることは人生の喜びの一つだと教えてくれるのだ。
ところで、猫はちょっとした短い眠りでも深く長い眠りでも、足をぴくぴくさせて走っている夢を見ていると思えることがある。眠ることは、体を休めて幸せを感じると同時に、夢を見ることだ。
私たちにも、覚めてほしくない夢もあれば、誰にも知られずにもう一度見たい夢を見ることだってあるだろう。
眠る幸せを大事にしよう。
眠るのが好きだからといっても、
人生を謳歌していないわけではない。
「人生を謳歌する」という言葉は、
最近ちょっと間違って使われている。
それは、
いつも騒がしく、忙しく生きる、
ということではない。