ホテルの玄関前は
若者の「自撮り大会」の会場と化していた
さて宿泊当日である。
ホテルの玄関前は、看板の「MUJI」の文字をバックに中国の若者の「自撮り大会」の会場と化していた。大半は宿泊客ではなく、ただ記念写真を撮っていく。
無印、やっぱり中国では大人気なのである。
ホテルは、深セン福田区の深業上城という新しいショッピングエリアにある。ちなみに、中国での出店は、ディベロッパーや政府組織などそれぞれに「縄張り」があり、日本のようにまともなビジネスが金さえ出せば場所を取れる、というものではない。
この無印良品酒店深センも、設計は無印だが、この深業上城のディベロッパーの深セン集団が運営していると、中国のウィキ、百度百科にはある。
中国の無印は、中国各地の空港など非常にいい立地に出店しており、それは逆に中国との関係の深さを物語る。先にも無印が中国で発行した家具カタログの地図で、尖閣諸島の表記に関してトラブルがあったが、問題をそのままマジメに尖閣の話と受け取る中国関係者はいないだろう。
記録の残らぬ予約サイトと合わせて、いろいろイケない想像をしてしまう在中17年目である。
さて、チェックインはすべて相手のタブレットでピッ!、で終了した。
予約はちゃんと通っており、騙されていたわけではなかったようである。
サイトはいろいろ“残念”だったが、現場スタッフの皆さんは非常に感じがいい。現在、中国の優秀な若者は気もきくし、仕事のレベルがすごく上がっている。大昔の中国(それは中国においては5年以上前だが)しか知らない皆さん、中国をナメてはいけない。
マネージャーがトランクを持って部屋まで案内してくれる。一瞬、「取材だとバレてるかな?」と思ったが、自分が日本人だから…、という気がした。
そして彼がドアを開けると、窓のカーテンが自動でツツツーと開いた。さらにトイレのドアを開けると、便座のフタが自動でひゅーんと上がる。