参考までに、医療コンサルティング会社の記入例を見てみよう。

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設問1 業績ギャップ
介護業界。高齢化に伴い、介護福祉士や訪問介護員のニーズは多い。しかし、報酬が低く離職率も高いため、業界全体で人手不足。しかも、介護サービス事業は赤字が多い。原因は、介護報酬制度にある。介護サービスに対して報酬が払われるが、目的が要介護高齢者の自立支援にあるため、優秀な介護者ほど要介護者に対するサービスが少なくなり、結果として収入が少なくなるという矛盾した状態にある。

設問2 認識ギャップ
ソフトウエア産業。提供側はソフトウエアを「製品」と認識しているが、ユーザーは、「サービス」として認識している。だから、メーカーは機能を追加していくが、顧客は初期投資が高くなることに違和感を覚える。追加された機能が、顧客にとって必要とは限らないからだ。

設問3 価値観ギャップ
病院は「病気の治療が最優先」であり、「高度な医療を提供し、病気を完治させること」が目的だと考えている。しかし実際には、「仕事に影響が出ないこと」「仕事に復帰できること」「女性として生きること」などが患者にとっては重要である。入院する病院や時期、治療方法の選択に、患者の事情は考慮されているだろうか?

設問4 プロセスギャップ
病院内の薬剤・材料管理は、「1.病院への納入」「2.診療科・病棟への運搬」「3.診療科・病棟での開封」「4.患者へ使用」「5.患者使用分を診療報酬として請求」の5つのプロセスに分けられる。
現状では、1から3にギャップがある。仕入れ先ごとに製品コードやロットが異なり、診療現場でのコードや単位も異なるためデータ管理はかなり煩雑だ。そのため、仕入先の変更や新材料の購入に際して常に不安を抱えている。

設問5 労働ギャップ
病棟の看護師は、日勤と夜勤の間に業務引継ぎ(申し送り)を行う。必要な業務ではあるが、その時間帯に人員が“重複”し、そのぶんコストがかかる。「標準化」と「例外管理」で問題を解決する必要がある。

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