厚生労働省の統計によると、過去4年の間に、29歳以下のグループを見ると、仕事が原因の自殺が45%増え、女性従業員の自殺件数も39%増加した(“日本の過労死問題が深刻化、女性が増加”人民網 日本語版)。
電通の高橋まつりさんの件もまだ解決はしていない。
彼女が受けたパワハラに、
「あれ、私のことかと思いました」というマスコミ業界の女性は多い。
知人のTV局に入社した女性は、「毎日、男性社員から“お前がオレと同じ仕事をしているというだけで腹が立つ”と言われた」と言っていた。
私が就職をしたのは、30年も前だが、高橋まつりさんのニュースを聞いた時、一歩間違えば同じだったな、と思った。
私を救った
オカンの鶴の一声
私が就職したのは1987年である。
就職先は、ダイエーと中国との合弁貿易商社である。ダイエーの旧本社ビルが大阪にあり、研修が終わるとそこに出勤となった。隣はローソンだったのを覚えている。
当時、第一次中国ブームと迫ってきたバブルで、とにかく忙しい。
若い社員たちは終電まで残業が当たり前で、私も出勤初日からそうだった。そしてそれが2〜3日、続いたあとである。
突然、オカンの怒りが爆発した。
「なんでそんな毎日遅いの?」
「忙しいのよ。みんな遅いよ」
今、思うと、全然みんなではなかったのだが、そう錯覚していた。
「新入社員がそんな働いても、役に立ちません。帰ってらっしゃーい!!!会社に不慣れで疲れているし、体壊すだけ。そもそも朝も1時間早く出てるでしょ。それよりも定時に帰って毎日、絶対遅刻せず出勤し、時間内にしっかり働きなさーい!」