それは、定例会議におけるディスカッションにおいて、「理念・方針・戦略」にかかわる議論に発展したときには、必ず注意を喚起することです。「それは、企業理念に合っているか?」などと問いかけることで、メンバーに自分の頭で考えてもらう。その繰り返しによってこそ、メンバーに浸透させることができるのです。そしてこの努力が、チームの生産性にボディブローのように効いてくるのです。

 また、総務・人事関連の伝達事項や情報は、それが発生するたびに定例会議で共有します。ただし、「社内手続きの変更」や「組織変更」などの重要案件は、周知徹底するとともに不要な誤解を防ぐためにも、口頭で丁寧に説明する必要がありますが、チームの運営にとって重要性の低い案件はメール等で伝達するだけに留めるのがよいでしょう。

チーム目標は「月次」で確認する

 次に重要なのが、チームの目標の共有です。
 これは、期初の経営方針・戦略に基づいて導き出されるものですから、当然、これらと合わせて、期初の定例会議でメンバーとしっかりと共有することが大切です。

 そして、できれば月次、少なくとも四半期ごとに、定例会議で確認をすることによって、メンバーの目標意識を喚起する必要があるでしょう。また、目標達成状況については、できれば週次で情報共有しながら(基本的にはメール等での共有でOK)、目標未達が著しいなど異常値が発生した場合には、随時、定例会議の議題に上げて、注意を喚起するとともに、打開策をディスカッションしなければなりません。

 また、チーム内で動いているプロジェクトの進捗確認も必須です。
 進捗確認をすることによって、スケジュール管理を徹底するのはもちろんのこと、普段は自らが担当しているプロジェクト以外には目配りすることの少ないメンバーに、チーム全体でどのようなプロジェクトが動いているのかを共有する効果もあります。ただし、進捗確認に時間を割くのは非効率ですから、できる限り手短に終える工夫が必要です。

 また、企業活動のなかでは、上層部からの指示や現場トラブルへの対応など、絶えず新規案件やタスクが突発案件として発生するものです。そのような場合には、即座に臨時会議で共有する必要があります。

メンバーを「観察」する余裕をもつ

 最後に注意すべきなのが、メンバーの体調・情緒です。
 人間は誰しも、バイオリズムの影響もあり、体調を崩したり情緒が不安定になることがあります。特に、業務の繁忙度が増すと、そのような変調をきたすケースはままあります。マネジャーは、そのようなメンバーの変調には敏感でいなければなりません。

 もちろん、日常業務のなかで、わけへだてなくすべてのメンバーとコミュニケーションをはかりつつ、個々の体調・情緒をチェックすることが大切ですが、多忙な日常のなかではなかなかやり切れるものではありません。そこで、定例会議の場でそれをカバーするのです。