春になると、このタイミングで決意を新たにしてがんばろう!と思ってしまいますよね。『20代に伝えたい50のこと』(ダイヤモンド社)の著者秋元祥治さんは、でも、決意を新たにしても意味がない!と断言します。本連載では、『20代に伝えたい50のこと』から抜粋しながら、メッセージをお伝えしていきます。
人間が変わる3つの方法
たとえば講演会に参加したり、挑戦している友人を目の当たりにしたりするとすごい刺激を受けますよね。なんだか、自分はこのままじゃダメで、一歩踏み出そうって。
宿題ができていない時だって、夏休みの始まりだって「今度こそは」って決意をしますよね。だけれど、決意を新たにするってことほど罪深いものもないと思うのです。
だって、決意をして本当に完遂できるのならば、きっとなりたかった自分にもっともっと近づいているのではないでしょうか。ダイエットだって夏休みの宿題だって、決意をしてもつい「今日は……。明日から」ってズルズルといってしまった過去は誰しもあるのではと思います。もちろん、僕自身もご多分にもれず、そうです。
きっと人間というのは、とても意志が弱いのでしょうね。ラジオの英会話を1日15分ずつ、朝ランを週に2、3度……と決めてもつい気がつくとズルズルいっちゃう。一方で、ちゃんと自身で決めたことをやっている人がいるのも事実。その違いはいったいどこにあるのでしょうか。
以前、経営コンサルタントの大前研一さんのこの文章を目にした時に、まさに!と激しく共感したので、ぜひご紹介をしたいと思います。
人間が変わる方法は3つしかない。
1番目は時間配分を変える。
2番目は住む場所を変える。
3番目は付き合う人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。
大学では、数年前からキャリアに関する授業を担当させていただいています。学生からの感想レポートを見ながら、無力感すら覚えるのが「刺激になりました」「よし、がんばろう!」とか「もっと前向きにいこうと思います」といった文言。一時の気持ちの高ぶりは続かないからこそ、具体的に何を変えるのかが大事なのだと思うのです。そして、その具体的な方法として大前研一さんは、(1)時間配分、(2)住む場所、(3)付き合う人を変えることを指摘さ れているわけです。(1)時間配分は、時間の使い方を変えろということ。つまり具体的に行動を変えることが大事だということなんですよね。行動を始めるから習慣が変わり、習慣が変 わるから結果につながる。
いきなり大きく行動を変えることは難しくても、たとえば帰り道に本屋さんによって関連書籍を買ってみるとか、今すぐスマホで調べてみるとか、セミナーの予約をまずしてみる、とか。あるいは、SNSで始めることを宣言してみるというのもいいでしょう。
今から、今日から小さくてもできることを始めてみるということがとても重要だと思います。