報告はPDCAの「繋ぎ目」である

 では、報告とは何か?
 私は、報告とはPDCAの「繋ぎ目」だと考えています。
「よい結果」であろうが「悪い結果」であろうが、関係ありません。企業活動とは、常に「今よりよいものを指向する」ことによって成長を実現するものです。何らかの結果が生じたら、その結果から学んだことを次のチャレンジに活かす。それこそがPDCAであり、その「繋ぎ目」として機能するのが報告なのです。

 先ほどの例で言えば、重要なのは、「目標未達」という結果の原因を分析したうえで、翌月に目標達成するために「どうするのか?」=「ネクストステップ(解決策)」を自分の頭で考えることです。具体的な改善点、スケジュール、リソース、実現可能性、効果予測などを自分の頭で考えて、上司に提案する。そして、それに対して上司とディスカッションをしたうえで、翌月のアクションを確定させる。こうして、上司の承認と信頼を勝ち得るとともに、PDCAを回していくために存在するのが報告なのです(下図)。

その人が伸びるかどうかは「報告」を聞けばわかる。伸びる人は「起きた事実」を報告するだけではなく、必ず「○○」を伝える。

 だから、報告に謝罪も不要なら、意気込みを示す必要もありません。
 もちろん、目標未達を謝罪する気持ちは組織人として必要かもしれませんが、謝罪したからといって状況が改善するわけではありませんし、意欲があるのは結果を出す必要条件ではあっても十分条件ではありません。それを上司に伝えることには意味がないのです。あのときの上司も、私の謝罪や意気込みは完全に黙殺。責めることもなく、ただただクールに「で、どうするの?」という問いを私にぶつけてくれたのです。