特に若者だと、新しい機種が出た途端に、今までのスマホを売っちゃって(あるいは、誰かにあげるか、捨てて)、「試してみよう!」となる。もちろん番号も変えなくて済む。

 消費者の気持ちをつかむ商品で戦略が正しければ、あっという間に市場を塗り替えることができる。

 結果として、市場の変化が非常に速い。

 ゆえに、中国では大手メーカー以外に無数の無名や弱小メーカーが絶えずスマホ市場に参入し、かつ消えていく。

 この17年間、市場の勝ち組は初期がモトローラ、そのうちノキアになり、やがてサムスンに変わった。このころからiPhoneが出てきたが、中国製スマホが台頭し始め、今、筆頭はやはり華為技術(ファーウェイ)だろう。そして小米(シャオミー)のシェアを奪ったのが、オッポである。

 北京在住の私から見たオッポは、正直、最初は知名度もなくいわゆる「雑牌子」(十把一絡げのブランド)の一つ、という印象だった。

 小米が最初からわりとカッコ良かったのにくらべ、初期は、今一つあか抜けない。どこかで見たことのあるデザインが多い。

 それがあるとき、ボーンと大きな広告を見たかと思ったら、売り場面積が広がり、知人友人からも名前を聞くようになる。

 大規模な広告で一気にシェアを取るのは、中国のIT系でよくある戦略で、小米(シャオミー)もそうだった。

 が、小米が都市部インテリのネット購入ユーザーを狙ったのに対して、オッポは地方のリアル店舗とリアル広告で、売上を着実に伸ばしていた。中国は流通に商品をのせるのが非常に大変だが、オッポには販路もあった。

アジアで若者に人気の
オッポ製品

 商品もずいぶん洗練されてきたが、「若者向けに絞る」いうコンセプトは変わらない。

 オッポの製品は、国を越えてアジアなど“都市化されていないエリア”の10~20代のある種の若者にウケる気がする。