不法移民の親子引き離しを巡り、トランプに総攻撃をかけた米国民の良心
トランプ大統領が、不法移民の親子引き離しを撤回した。きっかけはイヴァンカ氏の働きかけだけではない。日本では詳しく報道されていない「米国大炎上」の一部始終とは(写真はイメージです)

不法移民親子の引き離しで
トランプと対峙する米国民

 今年6月、米国で行われていた不法移民の親子引き離しが、世界の大きな注目を集めた。大統領選の演説で「メキシコとの国境に壁を築く」と繰り返して支持を集めてきたトランプ大統領にとって、メキシコと米国の国境を越えてくる不法移民への“対策”が、避けて通れないものであることは間違いない。しかし6月20日、米国内外からの強い批判を受けて、トランプ大統領は親子引き離しを撤回した。

 注目と批判が最高潮に達しようとしていた6月13日から、私は米国に滞在している。フロリダ州オーランド市で開催された、調査報道記者編集者協会(IRE)の大会に参加するためだ。大会は17日に終了したが、その後も米国各地に滞在し、トランプ政権下の「いま」を見聞し続けている。私は期せずして、不法移民の親子引き離し問題に関する米国現地と日本の捉え方の違いに直面することになった。

 本稿では、不法移民問題の日本であまり重要視されていない側面に焦点を当て、米国内での反応を紹介したい。トランプ政権は、どの程度「一枚岩」なのだろうか。「政府が」という主語には、どの程度の重みがあるのだろうか。そもそも移民の存在は、どの程度「問題」と考えられているのだろうか。

 米国で起こる出来事や社会課題への取り組み事例を伝えるとき、いわゆる「5W1H」を伝えることはもちろんできる。しかし、その場所にある「世の中」を、限られた文字数の記事で伝えることは難しい。伝えるどころか、自分自身が理解するだけでも難しいと感じることの連続だ。

 しかし、米国と深い関係を持つ日本に生まれ育ち暮らす人間として、「ううむ、やっぱり難しい」と唸ってばかりいるわけにはいかないだろう。

 日本には十分伝えられていないようであるが、今回は私から見ると「ここがキモでは?」と感じられる事柄を中心にお伝えしたい。米国とは何なのか。米国にとって移民問題とは何なのか。それらの事柄から、自ずと浮かび上がってくるだろう。