「意思決定者」はファシリテートしてはならない

 定例会議のディスカッションは、「質問」を主体に進めます。確認事項や疑問点のある人に質問をしてもらい、担当者が回答。質問が出尽くしたら、意見のある人がコメントを述べる。それを1件最大15分で完了させるわけです。

 ここで、私はひとつの工夫をしました。定例会議全体の司会進行はマネジャーが仕切りますが、ディスカッションにおいて議論を促進するファシリテーターをメンバーの持ち回りにしたのです。

 狙いは大きく3つあります(下図参照)。

なぜ、マネジャーが「仕切る」のをやめると、会議の品質が上がるのか?

 まず第一に、意思決定者であるマネジャーがファシリテーターを務めると、どうしても発言者に遠慮や忖度が生じてしまうため、議論を歪めるおそれがあるためです。むしろ、マネジャーはメンバーのディスカッションを第三者的に聞くことで、意思決定に向けて思考を深めることに集中すべきでしょう。

 しかも、マネジャーが定例会議において意識すべき重要なポイントとして、メンバーの体調・情緒面のチェックがありますから、その意味でも、メンバーの様子を客観的に観察できるポジションを確保するのが望ましいのです。