世の中にはモノやサービスがあふれていますから、誰もやっていない「新しいアイデア」がなければ、ビジエスで生き残ることはできません。こう言うと、「アイデアには才能やセンスが必要だから……」と尻込みする人もいらっしゃいますが、その必要はありません。たった4つのステップをたどるだけで、自動的に「アイデア脳」のスイッチが入って、誰でも楽しく「新しいアイデア」を量産できる思考法があるのです。ソフトバンク、NTTデータ、三井不動産などで続々採用され大好評となっている「アイデア発想法の研修プログラム」=「idea Picnic」を書籍化した『アイデアのスイッチ!』が出版されました。本連載では、その内容を抜粋しながら、画期的なアイデア発想法である「idea Picnic」をご紹介します。
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早速ですが、問題です!
あなたはデパートのオーナーです。
連日、お客さまでごった返すほどの大繁盛。
ところが、ある問題に頭を悩ませています。
「エレベーターを待つ時間が長すぎる!」
そんなクレームがたくさん寄せられているのです。
あなたは、
この問題をどう解決しますか?
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たとえば、こんなアイデアが浮かぶのではないでしょうか?
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たしかに、エレベーターがはやく来れば、
一発で問題は解決しますよね。
でも、どちらも予算がかかりすぎて、とても実現できそうにありません。
ほかにアイデアはありませんか?
……何も思いつかない?
困りましたね……。
では、ヒントを差し上げましょう。
こう言い切ってみてください。
「エレベーターが来るのが遅くても、大丈夫!」
そして、「それって、どういうこと?」
「何があれば、大丈夫になる?」と考えてみてください。
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一緒に考えてみましょう。
お客さまがエレベーターを待つ時間は変わらないのに、
大丈夫ってどういうことでしょう?
何が大丈夫なんでしょうか?
そう、エレベーターが来るのが遅くても、
お客さまが怒らない、クレームを言ってこないから、大丈夫ということですよね?
では、なぜお客さまは怒るのでしょう?
エレベーターを「待つ時間」が苦痛だからですよね?
だったら、何があったら、お客さまは怒らないのでしょうか?
「待つ時間」が苦痛じゃなくなる何か……ですよね
それって何でしょうか?
いくらでも思いつきませんか?
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どれも効果がありそうですね!
実際、アイデア(5)の「鏡」は実例があります。
『問題解決のアート』(ラッセル・エイコフ著)に、
同じ問題を抱えていたビル・オーナーが、エレベーターを鏡張りにして解決した事例が書いてあるのです。
いかがでしょうか?
莫大なお金をかけてエレベーターを替えなくても、
この問題を解決することはできるのです。