なぜ女性医師は二極化するのか

 さて、ここで、女性医師に特有の状況についても触れておきたい。女性医師の働き方では、二極化が進んでいる。長時間労働が前提となる勤務医を諦めて非常勤バイトに徹するなどしてキャリアから離れてしまうか、あるいは「男性並み」に働くかという二極化だ。

 結婚して子どもがいても、外科や循環器などの「ハード」な科で働き続ける女性医師もいるが、結婚せずにハードな科の業務に邁進するか、あるいは結婚して出産や子育てを前提に、眼科や皮膚科のような急変が少なく比較的ハードではない科を選択するという二極化もある。

 医師向け人材紹介会社エムステージが運営する、女性医師対象のウェブマガジンjoy.net編集長の岡部聡子さんは、これまで同サイトの取材で120名、医師担当のキャリアプランナーとして100名、計220名にのぼる女性医師と向き合ってきたなかで、女性医師の働き方が二極化しがちな要因をいくつか挙げてくれた。

 まず、ロールモデルが少ないことだ。

 2014年の日本医師会の調査によると、学会役員の女性比率は2.7%。大学医学部教授以上は2.5%といずれも低い。ちなみに、経済産業省の調査では、2017年の上場企業の女性役員は3.7%である。もちろん数合わせをすればいいという話ではないが、まず学会役員になっている女性医師の絶対的な数が少ないという事実がある。

女性医師の結婚相手は7割が医師
医師同士の結婚は離婚しやすい?

 二点目は、女性医師が結婚する場合、相手は約7割が医師である(ちなみに男性医師の結婚相手が医師である割合は約2割)ことだ(参照:東京大学 社会科学研究所:『社会科学研究』女性医師の労働時間の実態とその決定要因―非常勤勤務と家族構成の影響について)。

 医師になると、忙しさから出会いの機会が少ない。そうした理由もあり、大学の同級生や、初期研修などの研修医時代に知り合って結婚する例が多いが、joy.netの行ったアンケートに「研修が始まると非常に忙しくなると先輩医師からのアドバイスがあり、学生のうちに入籍、披露宴をすませた。正解でした」(30代後半・内分泌科)という声が寄せられているように、既婚女性医師には早婚傾向もあるそうだ。