【お寺の掲示板の深い言葉 14】「知恵がある奴は、知恵を出そう」超覺寺(広島) @chokakuji [7月15日]

松山千春のメッセージ

 まだ終わったわけではありませんが、2018年はいつにも増して災害が多い一年です。10月になっても台風が上陸するなど、週末になると激しい風に翻弄されましたね。

 西日本を中心に、活発な梅雨前線が集中豪雨をもたらしたのは、6月下旬から7月にかけてのことでした。「平成30年7月豪雨」など一連の水害で、特に広島や岡山では土砂崩れや浸水害により、多くの方が犠牲になりました。

 今回は、東日本大震災のとき、ラジオで松山千春さんが話した言葉です。

 知恵がある奴は、知恵を出そう
 力がある奴は、力を出そう
 金がある奴は、金を出そう
 「自分は何も出せないよ」っていう奴は、元気出せ

 ご投稿いただいた広島市の中心部にある超覺寺のご住職は、「この度の豪雨災害への想いに合うなぁ」とメッセージを添えていました。

 いまなお災害の復興で苦労をされている方が大勢いらっしゃいます。以前、無財の七施のお話しをしましたが、お金をかけなくてもできることはたくさんあります。みなさんもいまの自分にできることを考えてみてはいかがでしょうか?

【お寺の掲示板の深い言葉 14】「知恵がある奴は、知恵を出そう」超覺寺(広島) @chokakuji(7月11日)

無常ということば

 もう1つ、「今がずっと続くわけではない」との投稿もありました。これも同じく超覺寺のもので、同じ広島で被災をされた方々へのメッセージなのでしょう。

 「諸行無常」という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。わたしたち日本人は『平家物語』の影響なのか、「無常」という言葉から、「もののあはれ」や「悲しさ」を感じ、ネガティブにとらえがちです。

 しかし、「無常」という言葉にはポジティブな面もあるのです。それは、苦しみや悲しみは永遠に続くわけではない、という面です。無常は決して無情ではありません。わたしたちは「諸行無常」の世の中だからこそ生きていけるという側面もあるのです。

(解説/浄土真宗本願寺派僧侶 江田智昭)